大手私鉄の他社車両譲り受け | 女装男子かなこのブログ

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西武鉄道が「サステナブル車両」の導入と称し、東急電鉄と小田急電鉄から中古車両を導入することで、SNSなどではファンの驚きの声が多数見られました。


大手私鉄が、同じエリアの大手私鉄から中古車両を導入するというのは、きわめて珍しい事例といえましょう。 


大手私鉄の車両が廃車後に地方私鉄へ譲渡されることはよくありますが、大手私鉄が他社車両を購入するっていうのはあまり例がありません。


有名なケースは、1975年に名古屋鉄道が東急電鉄の3700系を購入しました。


名鉄3880系(元東急3700系)

当時としては珍しい、大手私鉄から大手私鉄への車両譲渡でした。


1973年のオイルショックを機に名鉄では利用者が激増、当時2扉クロスシート車両が主体だった名鉄では輸送力の上でも限界に達したため、1975年に東急3700系3両編成4本を購入したのです。


東急3700系は主に東横線、目蒲線(現在の目黒線・東急多摩川線)で運用されていました。


3700系改め名鉄3880系は車体の色を東急の緑から名鉄の赤に変えました。


主に犬山線を中心に運用されたが、朝ラッシュ時における3扉ロングシート車の威力は絶大で、これが3扉セミクロスシートの6000系を導入するきっかけとなりました。


東急3700系は最終的に全20両が名鉄に譲渡され、名鉄3880系は他系列からの1両を含めて3両編成7本の計21両となりました。


しかし、6000系の増備が進んだことと老朽化のため、1985年までに全車廃車されました。


11年前には、大手私鉄が自社グループの中小私鉄から中古車両を導入したという、これらに勝るとも劣らぬぶっ飛んだ譲渡劇がありました。


その譲渡劇の主役は、南海電気鉄道の3000系。


元は泉北高速鉄道の3000系で、現在も同線に残っている車両は、南海高野線への直通運転などに運用されています。



南海3000系

泉北高速鉄道3000系


南海には2013年、南海本線向けの車両として4両編成3本と2両編成1本が譲渡され、現在は8両編成1本と6両編成1本で運用されています。


中小規模の鉄道会社が大手の鉄道会社へ車両を譲渡したケースとして、ほかにはJR東日本に渡った東京臨海高速鉄道(りんかい線)の70-000系がありますが、やはり珍しい事例ではあります。


東京臨海高速鉄道70-000系はJR東日本209系と共通設計されていました。


南海が泉北の中古車両を導入したのは、環境への意識ではなく、旧型車両(7000系)の早急な置き換えがありました。


当時、7000系は老朽化が進んでおり、速やかな置き換えが求められていました。


新型車両の導入を急ぐとともに、比較的状態のよい車両をかき集め、7000系の代替に充当したのです。


泉北高速鉄道3000系は南海6200系と共通設計されていました。


6200系は高野線用の車両だが、これに相当する南海本線の車両はありません。


南海電鉄は1973年に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧、その際多くの旧型車が廃車されました。


高野線はその後も泉北ニュータウンや河内長野林間田園都市の造成、河内長野~橋本間の複線化もあり6200系を投入したが、南海本線は1985年まで新車の投入がありませんでした。


現在、南海本線には車体長の短い2扉の2000系(南海の一般車両は、基本的に4扉)が走っていますが、これも元々は7000系の置き換えを進めるべく、高野線の余剰車両を転用したもの。


2000系は高野線急行用として投入されたが、高野線の大運転(難波~高野山の直通運転)が縮小されたため、余剰車両が発生していました。


7000系の置き換えに躍起になっていた当時の事情から、このような車両導入が繰り広げられたのです。


ただ2000系は車体が短く2扉車であることから、前面には「2扉車」の札がかけられ、基本的に普通列車限定で運転されています。


あれから10年、泉北高速鉄道では2023年に、新型車両の9300系がデビューしました。


これにより、同社に残る3000系の置き換えが発生するものと思われます。


そして南海では、6000系(高野線)と7100系(南海本線)の置き換えが進行中。


南海では昨年8月、2200系2両編成1本が銚子電気鉄道(千葉県)に譲渡され、今年3月より営業運転に入りました。


もともと高野線急行で活躍した2200系も、現在は高野線の観光列車「天空」に改造された車両の他は支線に残るのみとなっています。


羽衣駅(大阪府高石市)の高架化工事で高師浜線が3年間の運休を経て今年4月に運転を再開、2000系がワンマン化され支線に転用されることから、高師浜線の運休で余剰となっていた2200系1編成が廃車となったものです。


東武鉄道の観光列車「SL大樹」は蒸気機関車のC11 207号機をJR北海道から借り受け、C11 325号機は真岡鐵道から譲り受け、回送および補助機関車として使用されるDE10形ディーゼル機関車1099号機・1109号機および14系客車はJR東日本から譲り受け、12系客車はJR四国から譲り受けました。


なお、東武鉄道に限らず私鉄が保有する蒸気機関車はいずれも私鉄オリジナルのものではなく、保存運転を目的に国鉄型蒸気機関車を復活させたものです。