テレビは能登半島地震をどう伝えた? | 女装男子かなこのブログ

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能登半島地震は稀に見る大きな被害をもたらしました。


被災地の皆さんには深くお見舞い申し上げます。


1月1日午後4時06分の地震発生以降、関東のテレビ局は地震報道にどれくらい時間を割いたのか。


元日の夕方、お正月番組を放送していたテレビ局が一斉に地震報道に切り替わりました。


伝え方は局により少し違っていたようです。


また、地域によって地震への対応はさまざまだったでしょう。


そこで、テレビ番組の調査を行っているエム・データが調べた、関東・関西・中京各地区の元日の放送内容を基に、災害におけるテレビ局の役割を考えてみましょう。


私はこの時田舎(兵庫県佐用町)に行っていて、「笑点お正月スペシャル」(こちらでは読売テレビ)を見ていた時に緊急地震速報が入り、地震のニュースに切り替えられました。


現地では地震の揺れはほとんど感じられませんでした。


そのままずっとチャンネルを変えながら見ていたものの、どこも地震のニュースで気が滅入ってしまい、後でネットのニュースでテレビ東京が「出川哲朗の充電させてもらえませんか?新春4時間SP」の放送を40分遅れで開始したのを見たものの、現地ではテレビ大阪が映らないため、その後お風呂に入って夜9時に早々と寝ました。


帰ってから母に聞いたら、「こちらでは結構揺れた」と話していました。


■関東の元日の様子


まず関東地区は、当然ながら地震発生後、NHKはずっと地震報道を放送していました。


1月1日午後4時06分の震度5の地震発生直後にNHKがサッカー国際強化試合・日本🇯🇵―タイ🇹🇭の中継を中断し地震報道を開始しました。


そのすぐ後、午後4時10分に震度7の地震が起きると、多少の時間差はありつつ各局が地震報道に切り替えました。


Eテレも「新春将棋バトル」を中断し総合テレビと同じ内容を放送し始めました。


民放ももちろん地震を伝え始めたが、当初はテレビ東京だけ「平常運転」でした。


確かにテレビ東京系列の放送エリアに、北陸は入っていません。


だが東京も揺れたし、関西ではもっと揺れを感じたでしょう。


放送エリア外とはいえ、日本全体への影響は大きい地震と言っていい。


テレビ東京も約10分後、午後4時21分には地震報道に切り替えたました。


これで民放地上波テレビは全局、地震報道を放送し始めたことになります。


■お正月番組をあえて放送した意図


ただ正直、被災地からの情報はあまり伝わってきません。


各地域の定点カメラから、津波らしき大波が海岸に打ちつける映像は見えるものの、はっきりしたことはわからないままの状態が続いていました。


正直、いっそお正月番組も流してほしいと思ったりしました。


そんな中、午後6時40分からテレビ東京が元々番組表にあった「出川哲朗の充電させてもらえませんか?新春4時間SP」を流し始めました。


地震の現地の皆さんには申し訳ない気もするが、見た人にとっては緊張が和らぎ、ホッとしたのが偽りない気持ちでしょうか。


本来は午後6時からの番組だったので、40分遅れのスタート。


ここに、局としての苦渋が感じられました。


どんな判断だったか、テレビ東京のコメントは、「まだ災害報道の最中なので回答は差し控えたい」とのことでした。


そこから、おそらくギリギリの議論と判断があったと考えられます。


番組の鈴木拓也ディレクターがX(旧Twitter)にこうポストしていました。


「途中からの放送になりましたが…見てくださった皆さま、ありがとうございました。本来は、安全で平和な状況で放送がおこなわれることが、バラエティ番組の制作に携わる全スタッフにとっての願いです。どうか皆さまが、ご無事でありますように…。今夜の放送が誰かの支えになれていれば幸いです。」(@taks27:1月1日22時38分投稿) 


あえて放送した意図は、ここから読み取れるでしょう。


夜になると他の局も、予定されていた番組に戻すべきと判断したようです。


午後9時にテレビ朝日は「相棒season22 元日スペシャル」を、日本テレビは「月曜から夜ふかし元日SP」を放送し始めました。


また午後9時10分にはフジテレビが「有吉弘行のプライベートジェット爆食ツアー」を放送開始しました。


そんな中で、地震報道に徹したのがTBSです。


午後9時になっても、予定されていた「ドリーム東西ネタ合戦」は放送せず、地震報道を続けました。


TBSの記者が現地にいたこともあり、NHKより生々しい取材を届けていました。


この日は深夜まで地震報道を続けました。


午後11時6分前後には気象庁が再び震度7を発表し各局慌てて地震報道に切り替わったが、計器の誤作動だったことがわかりすぐに元の番組に戻りました。


■関西・中京地区の放送は?


さて同じ1月1日、関西のテレビ局はどんな放送をしたか。


関東とほとんど同じだが、読売テレビが午後9時以降も地震報道を続けており、そこだけ関東と違っていました。


そのため、「月曜から夜ふかし元日SP」は全国ネットだが関西では非放送になってしまいました。


このため関西ではNHKと毎日放送(TBS系列)に加えて日本テレビ系列の読売テレビの3局が地震報道を夜まで続けたことになります。


読売テレビによると「当社の緊急編成マニュアルにおいては、近畿エリア内の『津波警報』は『(CM・提供中も)カットイン可』となっており、レギュレーション通りの対応ではありました」としています。


ルール通りやったまでのこと、ということらしいが、関西の人々にとっては頼もしい状況だったかもしれません。


能登半島との距離を考えると、関東と関西で対応が違うのは当然のことと思います。


関西で注目すべきはサンテレビ。


兵庫県の独立UHF局なので、エム・データの調査の対象外となっていると思われます。


津波警報が発令された後、事前収録の放送に切り替わりました。


放送内容はアナウンサーが日本語で「津波警報が出ているから命を守るため今すぐ逃げてください。」という趣旨を読み上げた後、英語、中国語、韓国語、タガログ語などの話者が代わり代わり注意を促すという数分程度の動画を警報が解除されるまで繰り返し、たまに最新情報を挟んでいました。


まずは津波が来るから逃げろとNHKのようにアナウンサーが24時間スタンバイしているわけではない、地方局ならではの案内でした。


その理由として、サンテレビは阪神大地震で局が被災した経験があるからです。


また、神戸市は外国人が多く住んでいるということもあります。


中京地区(愛知・岐阜・三重の3県)の放送内容は、内容としては関東とほぼ同じだが一点だけ違いがありました。


TBS系列のCBCが午後4時8分にまず「震度5の地震発生」を番組を切り替えて放送していました。


その後、2分間ほど元の番組に戻った後、再び午後4時10分から「震度7の地震」の報道番組に切り替わっていました。


これも局としてのルール上のことなのかもしれないが、いち早い対応として特筆されます。


1月2日については説明するほど込みいってはいません。


まずNHKは地震報道を続けました。


一般ニュースや気象情報も挟みつつ、基本的に地震報道で朝から夕方まで通しました。


そこに、午後5時58分に突然、羽田空港からの機体が炎上する映像が放送されました。


日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突した事故です。


当初は何がなんだかわからなかったのが、徐々に実態がわかってきました。


その後「NHKニュース7」の時間でも午後7時20分まで航空機炎上の詳報が続き、また地震報道に戻ったり、他のニュースも伝えたりし、午後8時58分まで報道の時間となりました。


そして午後9時からはようやく「歴史探偵・光る君へコラボSP」などの通常の正月番組に切り替わりました。


民放は正月番組の中に地震報道を織り込んでいく編成でした。


日本テレビは箱根駅伝の直前番組の中で地震報道に時間を割き、その後は「箱根駅伝」を中心に正月番組を編成。


TBSも1日にほとんど地震報道に費やした分、2日はニュース枠で地震について伝える程度でした。


フジテレビは午前8時30分から1時間、「緊急特番」と題して地震報道を伝えました。


テレビ朝日も午前中11時45分から地震について報道し、午後1時まで1時間以上を割きました。


その後は通常の正月番組。


テレビ東京も午前9時からの「温泉タオル集め旅」の中で午後0時45分から午後1時10分まで地震報道を伝えました。


以上が大都市圏である関東・関西・中京地区の地震当日と翌日の放送でした。


地震の直接の被害を受けた石川県、富山県、新潟県の民放ローカル局の実情どうだったでしょうか。


石川県の民放

北陸放送(TBS系)

石川テレビ(フジテレビ系)

テレビ金沢(日本テレビ系)

北陸朝日放送(テレビ朝日系)


富山県の民放

北日本放送(日本テレビ系)

富山テレビ(フジテレビ系)

チューリップテレビ(TBS系) 

富山県にはテレビ朝日系列局はない


新潟県の民放

新潟放送(TBS系)

新潟総合テレビ(フジテレビ系)

テレビ新潟(日本テレビ系)

新潟テレビ21(テレビ朝日系)


たとえば、富山県のフジテレビ系列局、富山テレビはまず1日は基本的にキー局発の地震報道番組を放送し、その中で複数回ローカルとして差し替えた報道も行いました。


翌2日はローカル制作の報道特番を午前6時55分~8時30分まで放送。


先述のフジテレビ制作の8時30分からの特番と合わせて9時30分まで2時間半強の地震特番を放送しました。


この連携は、富山の人々にとっては地元視点と全国視点の放送が続けて見られるいい形でしょう。


これとは別にローカル局独自のL字放送を1日の午後5時24分から4日の午後6時59分まで送出しました。


また自社アプリとWEBサイトに特設ページを設け、地震関連のニュースのほか、罹災証明などの行政の窓口紹介や「サザエさん募金」の紹介なども行っていました。


新潟県でもテレビ新潟(日テレ系)が読売テレビと同様、午後9時以降も地震のニュースを続け、「月曜から夜ふかし元日SP」はまだ放送されていません。


おそらく他の民放局もこれらに似た独自の情報発信を行ったものと思われます。


民放ではTBS系列が唯一、津波警報が発表(『発令』ではない)されている間は報道特番を継続し、津波注意報にすべて切り替わった後、通常番組に復帰していました。


TBS系列(JNN)では、各局エリアで震度5強以上(能登半島地震では北陸放送が該当)はローカルの特番を放送するという内規があるようで、それに沿って対応しているようです。


■考えさせられる「災害時の情報の伝え方」 


今回の能登半島地震では、災害時に情報を各メディアがどう伝えるべきか考えさせられました。


放送局はNHKだけでなく民放も公共的役割を担っており、災害時には急きょ報道に切り替える義務があります。


一方で、そんな時の娯楽番組には人々の心を癒やす役割もあると今回再認識しました。


さらに、被災地の情報インフラの重要性も注目されました。


停電で中継局の電源が切れて電波が届かない地域もありました。


それも含めて、石川・富山・新潟での各メディアの状況は知りたいところです。


なお、NHKでは1月4日から旧BSプレミアムのチャンネルを使用して石川県向けに総合テレビの番組を流しています。


これとは別に正午のNHKニュースの放送時間を1月4日以降も延長しているため、総合テレビの午後0時台の番組、月曜日の「うまいっ」、火曜日の「いいいじゅー」、水曜日の「にっぽん百低山」、木曜日の「サラメシ」(再生)、金曜日の「きょうの料理」(大阪放送局制作)、土曜日の「探検ファクトリー」(大阪放送局制作)が1月は一度も放送されないまま終わりました。


日曜日は7日の再生番組は休止、14日の都道府県対抗女子駅伝、21日の都道府県対抗男子駅伝は午後0時15分から28分まではサブチャンネルで放送、28日の「NHKのど自慢」は通常どおり放送されました。


(追記)

2月から、総合テレビの午後0時台の番組、「うまいっ」は月曜日午前11時5分、「いいいじゅー」は火曜日午前11時5分、「にっぽん百低山」は水曜日午前11時5分、「きょうの料理」(大阪放送局制作分)はEテレの水曜日午後9時、「探検ファクトリー」は金曜日午前11時5分に暫定的に放送時間を変更しています。