毎日放送・TBS系28局ネットの日曜午後5時のアニメ枠「日5」が、約5年ぶりに復活することになりました。
「日5」は、土曜午後6時放送の「土6」が移動し、2008年4月に誕生した30分のアニメ枠で、「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」「機動戦士ガンダム00」「宇宙戦艦ヤマト2199」などを放送してきたが、2017年4月の改編で一度終了しました。
人気アニメ「ガンダム」シリーズの新作テレビアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が「日5」で10月に放送されることも発表されました。
「日5」の復活を記念して、過去に同枠で放送した作品を振り返るトリビュート映像が、1月28日深夜(29日未明)に毎日放送・TBS系の深夜アニメ枠・スーパーアニメイズムで放送されました。
「ガンダム」「コードギアス」「鋼の錬金術師」などを盛り込んだ映像で、MBSの公式ツイッター、YouTubeチャンネルでも公開されます。
「日5」枠とは、1993年7月開始の「3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?」が放送された土曜日午後6時(土6)枠が祖です。
平成ウルトラマンシリーズなど特撮番組も混在しつつ、2000年代にはアニメ固定枠となり「機動戦士ガンダムSEED」「鋼の錬金術師」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」などを放送してきました。
報道枠の拡大という形で、日曜日に放送されていたニュース番組「報道特集」が「土6」に移動、アニメ枠は日曜日午後5時枠へ移動しました。
「日5」に移動してからも「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」「機動戦士ガンダム00」(セカンドシーズン)「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」といった作品の他、「マギ」「宇宙戦艦ヤマト2199」「ハイキュー!!」「七つの大罪」「アルスラーン戦記」「僕のヒーローアカデミア」(ファーストシーズン)などを輩出。
アニメファンたちの週末の疲れを癒やすよりどころとなっていました。
しかし「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(セカンドシーズン、2017年4月放送終了)を最後に同枠は消滅しました。
だが、復活を望む声が絶えませんでした。
◇“日5”で放送された作品
コードギアス 反逆のルルーシュR2(2008年4~9月)
機動戦士ガンダム00(2nd Season)(2008年10月~2009年3月)
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009年4月~2010年7月)
戦国BASARA弐(2010年7~9月)
STAR DRIVER 輝きのタクト(2010年10月~2011年4月)
青の祓魔師(2011年4~10月)
機動戦士ガンダムAGE(2011年10月~2012年9月)
マギ The labyrinth of magic(2012年10月~2013年3月)
宇宙戦艦ヤマト2199(2013年4~9月)
マギ The kingdom of magic(2013年10月~2014年3月)
ハイキュー!!(2014年4~9月)
七つの大罪(2014年10月~2015年3月)
アルスラーン戦記(2015年4~9月)
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(第1期)(2015年10月~2016年3月)
僕のヒーローアカデミア(2016年4~6月)
アルスラーン戦記 風塵乱舞(2016年7~8月)
七つの大罪 聖戦の予兆(2016年8~9月)
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(第2期)(2016年10月~2017年4月)
一方、TBS系のアニメ枠は2017年4月以降は土曜朝6時30分~7時30分の「アニメサタデー630」枠となり、視聴者の対象年齢層も低くなっていました。
しかし、「アニメサタデー630」枠も「ゾイドワイルド」(2018年7月~2019年6月)と「新幹線変形ロボ シンカリオン」 (2018年1月~2019年6月)を最後に消滅しました。
同時に、TBS系では全日帯(午前6時~深夜0時)の新作アニメ枠が消滅、TBS系のアニメは深夜アニメだけとなってしまいました。
こういった経緯から「日5」として5年半ぶり、TBS系としても深夜の時間帯以外のファミリー枠で、再放送ではない新作のアニメを放送するのは3年3か月ぶりとなります。
「日5」枠復活を飾る「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、ガンダムシリーズのテレビアニメとしては「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」以来7年ぶりの新作です。
サンライズは同シリーズの全世界展開を見据え、2022年に「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の他、新作映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」、2015年に放送された「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の特別編をテレビ放送する計画を明らかにしています。
現在、TBS系日曜日午後5時からは「所さんお届け物です」が放送されているが、4月から土曜日朝7時30分に移動となり、4月~9月は何らかのつなぎ番組となりそうです。
TBS系 「日5」枠のアニメは、とにかく話題性がありました。
まず前述した作品のように、テレビアニメにシーズン制を本格的に導入したことが挙げられます。
それまでも人気作品では続編が制作されることがありましたが、マンガ原作作品などのテレビアニメ化で原作に追いつくという問題を解決し、分割クール制を一般に定番化させたのは「日5」がきっかけでしょう。
逆にリメイクという形になった「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」では、原作マンガ最終回に合わせる形で3か月延長させ、ほぼ同時に最終回を迎えて話題になりました。
しかし、この分割クール制の弊害か、枠が消失したために他局で放送されるようになった作品もあります。
テレビ東京系に移った「七つの大罪」、読売テレビ・日テレ系に移った「僕のヒーローアカデミア」などがそうでした。
ガンダムシリーズも「ガンダムビルドシリーズ」や「SDガンダムシリーズ」などの新作、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」(2019年4月~8月)といった編集作品は他局で放送されています。
しかし、「日5」枠消滅以降に「機動戦士ガンダム」のタイトルを継承したテレビ用新作では製作されていません。
つまり「日5」枠復活は、ガンダムのテレビシリーズ復活にふさわしい古巣の舞台、ということになるかもしれません。