リクエストにお応えシリーズです。

ご紹介写真にはあずなぶるが写ってるけどご容赦を。

 

大エジプト博物館。

2017年のオープン予定から今年で早7年。

待てど暮らせど正式オープンはいつぞや、と待ち焦がれておられる方が多いというのは把握しておりました。

 

エジプト政府の観光戦略としては、1か所では見せきれない貴重な遺物を3か所に分散し、見てもらおうという建前の下、それぞれの博物館には目玉を据え付け、3か所見なければエジプト行ったって言わせないよ、というしたたかさが見え見えです。

 

(1)エジプト文明博物館

2021年にオープンしたばかり。

目玉は、何といっても歴史上の実在ファラオのミイラ達。

撮影厳禁なので、その他のご紹介になりますが、

 ハトシェプスト女王

 セティ1世

 ラムセス2世

のミイラだけはしっかりと見ておくことをお勧めします。

私はどうしてもミイラとは言え、人間のご遺体をじっくり見ることはちょっと無理でした。

一番安価な入場料でコスパ最高な博物館です。

 

(2)エジプト考古学博物館

いわゆる今までだったら博物館と言えばここでした。

結構色々なサイトで紹介されておりますが、行って知ることになる冷房設備の無いこと。

こちらの目玉は、エジプトでも唯一無二と言われる未盗掘状態で発見されたユウヤとチュウヤの墓から発見されたものの展示。更に古代エジプトのミイラ史上最良の出来と言われるミイラは、まるで先日までご存命だったかたの様です。この最良のミイラを文明博物館へ持ち込まないところがしたたかです。

 

(3)大エジプト博物館

ソフトオープンはされていて、結構高額な拝観券を購入して入場することが出来ます。

ここの目玉は、トゥト王(ツタンカーメン)の黄金のマスクや遺物になると思います。

 

ではさくっとご紹介。

 

(1)エジプト文明博物館

先史時代から現代に至るまでの様々なものをカテゴリー別に紹介していますが、この博物館の目玉は何といっても歴代ファラオの現存するほぼ全てのミイラを見ることが出来る、ということでしょう。(日本で有名なトゥト王(ツタンカーメン)のミイラは、本物のお墓にあってここにはありません)

2021年にオープンしたてで、とても新しい博物館です。収蔵物は未だ未だな感じですが、安価で見応えのある展示物が多いです。

 

エントランスもとても綺麗。

 

アメンホテプ4世(アクエンアテン)もいらっしゃいます。

 

未盗掘のお墓から出てきた遺物。

 

5,000年前に亡くなった方のミイラの右足についている義足。

糖尿病で足の親指を欠損し、歩行が困難だったことから義足を付けて歩いていたそうです。

可哀想にミイラから右足首だけ切り取られたようでそっちが気になる。

 

トゥト王(ツタンカーメン)のパンツ。というかふんどし。

布で残ってんだもんなぁ・・・凄いことですね。3,600年前?ですかね。

 

私にとってメインと言っても良いくらいのもの。

サウジアラビアメッカのカーバ神殿のあのカバーです。

エジプトで作っていたんですね。本物です。

日本人はカーバ神殿に行くことは敬虔なイスラム教徒にならない限り100%不可能なので、身近で見れるのは正直感無量でした。

 

そしてミイラ室のミイラ。見応え充分。歴史上の人物が目の前にいる不思議さ。

これはプロジェクションされているラムセス2世だと思いますが、本に出てくる本物の御方が目の前に。私が写っていますが、気にするな(笑)

 

全部紹介することは不可能なので、文明博物館はここまで。

そして次は・・・

 

 

 

(2)エジプト考古学博物館

ここは建物も世界遺産になってしまっており、だから、という訳では無かろうが冷房が入っていないのです。少しは涼しい感じしましたが、40度超えていた日中に入ってしまって、人も多いし、汗だくになりながら見学しました。その見物人の汗で、湿度が異常に高く、蒸し風呂そのもの。

 

それを忘れさせる展示物って何なんびっくり

 

ここは正直申して全てを見るのに3日以上はかかると思います。

ですから私が見てきたのは本当に重要なもののみ。その中でも更に重要なものをご紹介。

 

まずは三大ピラミッド由来の方の遺物から。

クフ王の像。全高7.5cm。

一番でっかいピラミッド作った割りに像が全然見つかってなくて、数点のみだそうです。

その中の1つ。

 

カフラー王の座像。シュセプ・アンク(スフィンクス)の神殿の中で見つかったそうです。

これを再現した海洋堂の貴重なアラバスター製品持ってます。

これな。

 

メンカウラー王の立像3点セット。こうして数千年前の遺物が目の前に。触れるんだけどね。触らないように。

 

スフィンクスのひげ。の一部。

 

ある意味最も著名な展示物。

£紙幣にも描かれる書記座像。4,500年前?のもの。

 

初代のエジプトファラオの遺物。

ナルメル王のパレット。この博物館でも重要な展示物。

 

紀元前31世紀(笑)

 

今から・・・えーと、今21世紀だから、52世紀前(笑)。5,200年前、ということですね笑い泣き

ウケルー

 

これはピラミッドのベンベン。

ベンベンというのは、ピラミッドの頂点に置かれていたもので、ピッカピカに磨かれて光っていました。これは赤のピラミッドのベンベン。

 

これをね。

担いでシュウが・・・

 

この博物館メインのユウヤの棺。

 

エジプト最良のミイラのユウヤさん。

この御方、トゥト王の祖父で血縁者です。

 

チュウヤの棺。

 

チュウヤもエジプト最良のミイラ。まるで生きているみたいですよ。

トゥト王の祖母に当たる血縁者です。

 

ユウヤとチュウヤの黄金のマスク。

このご夫婦のお墓も未盗掘での発見。

 

横になっちゃったけど許せ!

ファラオのお墓で唯一無二の未盗掘墓として発見された中王国時代のホル王の墓から出たホル王のカー(所謂オーラみたいなもの)の立像。

ホル王の王墓は、今のところガチで未盗掘なので、はよ中身の埋葬品全部見せて欲しいものです。

https://www.egyptpro.sci.waseda.ac.jp/pdf%20files/S-1/S-1-4-1.pdf

 

 

 

トゥト王の黄金の玉座。確か右ひじかけには、

 「トゥト・アンク・アトン」

とカルトゥーシュが刻まれ、右には

 「トゥト・アンク・アメン」←早口で読んで

と刻まれている筈。逆だったかも知れません。

あと少ししたら大エジプト博物館へ移動です。

 

そして、エジプトの代名詞。

トゥト王の黄金のマスク。あと少ししたら大エジプト博物館へ移動です。

去年の年末のこと。ヒゲだけで2.5kgもあるそうで。

重さに耐えられなくて落ちたそうだ(笑)

説明では、あわててアロンアルファでくっ付けた、と言っていましたが、そんな訳ないね。

 

ちなみに色々間違えて紹介されていますが、24金ではありません。頭巾部分は23金。顔は22金です。ガイドもみーんな24金とか説明しているけど間違えです。

 

ネフェルト・イティ(ネフェルティティ)も紹介したかったけどまたの機会に。

 

 

(3)大エジプト博物館

ここは日本が多額の援助をして作られた博物館です。

日本人びいきしていただいて感謝ですね。

この博物館のメインは、あと少ししたら、トゥト王の墓から発見された遺物となります。

トゥト王の墓は、2つの興味深い発見があって。

 

その1:トゥト王の墓は2回盗掘にあっています。そのうちの1回の盗掘時と思われる遺物が発見されています。盗んだ純金の指輪を、持参したハンカチに包んで持ち出そうと思って衛兵に見つかり、その場で取り押さえられて逮捕され、盗んだ指輪は地面に転がり、一緒にハンカチも墓の中に残され、そして発見されています。今から3,000年以上も昔の2回目の盗掘事件のことと言われています。

 

その2:トゥト王の黄金の棺の上には、悲し気に置かれた花束がありました。というか今でもあります。もの好きがいるもので。その花束から人間のDNAを抽出することに成功しています。何と花束には、トゥト王の奥様であるアナクスナムン(アンケセナーメン)の涙の成分があることが判っています。トゥト王が亡くなって埋葬される時に花束を捧げ、その際に落涙したものだと言われています。

 

と2度盗掘にはあって、発見された時には内部は荒らされていた状態ではありましたが、ほぼ未盗掘の埋葬品の展示がメインになる予定です。

 

入場口入ったところにある巨大なオベリスク。

ラムセス2世は、自分の名前を消されることを恐れて、何とオベリスクの裏に自分のカルトゥーシュを彫り込んでいますよ、というのが判る展示。黒御影石には、地球上の言語でエジプトと書かれています。韓国が、何故日本語に比べてハングルが小さいのだ、とエジプト政府にクレームを入れましたが、確か記憶に間違えなければ、エジプトは無視しているかと。

9/5追記:韓国政府ではなく騒いでいる人たちがいる、ということだそうです。訂正します。

 

日本語は一番目にし易い所に、英語と並んで表記されています。

 

巨大な入口。

 

中に入ると巨大な空間があって、冷房が効きすぎる位入っていてアトリウムがあります。

そこには、巨大なラムセス2世の立像が聳えています。

 

エジプトのファラオと言ったら、トゥト王でもない、クレオパトラ7世でもない、ラムセス2世なのだそうです。

 

この博物館は、いたるところにシンボルとして、日本語で「博物館」と表記されています。

日本に最大限の敬意を払って作られた博物館だからなのだそうです。

 

展望デッキからは、3大ピラミッドが見えます。

 

では主だったものをホンの一部ご紹介。

 

ハルシエセ1世の石棺。誰だよ(笑)

 

トトメス1世の石棺

 

奇跡的に綺麗に残っているベンベン。

ちなみにどこのピラミディオンだか判っていないそうです。

 

ラムセス2世とプタハ=タテネンの座像。

40名もの奥様がいた中で、プタハさんは大切にされた方ですね。

ネフェルト・イリは神殿が寄贈されましたが(笑)

 

ここら辺の展示物はラムセス2世シリーズ。

エジプト国外へはラムセス2世シリーズはまず出ないと思うので、貴重な展示物です。

右から、プタハ神、ラムセス2世、セグメト神

 

アメンホテプ3世と、ラー・ホルアクティ神(つまりホルス神だろ?)の座像。

 

これは超貴重な展示物ちゅー

ここに展示していていいのか?

ラムセス2世の祠堂です。触れちゃうぞ。触らないけど。

 

次から次へと鼻血ものな貴重な展示物のオンパレード。

こちらは、あの有名なハトシェプスト女王のオベリスクのベンベン。

 

はい。もう説明は省きます。一番巨大なやつだそうです。

 

アメンホテプ3世の座像。

このファラオの座像シリーズがあまりに量が多くて、一応全て写真撮ったけど、30体ほどありました。大体新王国時代の物ですが、古王国のものもあります。

 

別のレーンでもまたもや大量の座像。

これは流石に1体ずつ撮影する気力がありませんでした。せっかく行ったのに勿体ないねぇ。

 

兎に角今展示されているだけのものをじっくり見たとしても1日かかるでしょう。

 

1日で3博物館巡るなんて無謀な日程でしたけど、今度はじっくり見たいですね。

 

エントランス側には、

 ジェセル

 スネフェル

 クフ

 カフラー

 メンカウラー

の世代順のカルトゥーシュが一番下に描かれています。

 

多分また韓国がクレーム入れるでしょうが、未だ公開されていない日本への感謝の碑?です。

 

 

ほんの少しのみのご紹介ですが、是非現地で生で触れる距離で見ることをお勧めします。

 

では。