農林中央金庫は今年度中に10兆円規模の外国債券を売却する方針で、来年3月期の最終赤字がこれまでの5000億円から1兆5000億円規模に拡大する可能性 / 農協が急激に赤字になっている本当の理由
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=370065
5月24日の記事で、農林中央金庫はアメリカ国債などの運用で膨らんだ多額の含み損を処理するため、来年3月期には5000億円を超える最終赤字に転落する見通しのため、1兆2000億円規模の資本増強を行う方針であることをお伝えしました。
5000億円の赤字で1兆2000億円規模の資本増強を行うのは不自然なので、このときのコメントでは、利回りは高いが紙くずになる可能性があるCLO(ローン担保証券)について触れ、
農林中央金庫の2020年3月末時点でのCLO投資残高は7兆7000億円であり、農林中央金庫は「世界最大のCLO保有者」と言われていることをお伝えし、2023年12月18日の記事『“くじら”の死』にリンクを張っておきました。
“くじら”とは、もちろん農林中央金庫のことです。
この記事には、
“数日前から、海外で注目を集めているのは農林中金です。FRBのレポファシリティに12/1から加えられた
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2021/fis/kiuchi/0730
…5000億ドル分の枠を受け取りましたが、事実上FRBによるベイルアウトです。
…CLO(ローン担保証券)を大量に保有しています。
…突然、リバースレポファシリティに加えられたということは、とりもなおさず破綻状態であることを示しています。
…農林中金によると、CLOのポートフォリオはすべてAAAだとしていますが、恐らく中身はただの不良債権ばかりだと思われます。”
とあります。
TBSニュースによれば、農林中央金庫は今年度中に10兆円規模の外国債券を売却する方針で、来年3月期の最終赤字がこれまでの5000億円から1兆5000億円規模に拡大する可能性があるとのことです。
先に見たように、
“来年3月期には5000億円を超える最終赤字に転落する見通しのため、1兆2000億円規模の資本増強を行う方針である”
ということでしたが、
TBSは「2009年3月期にもリーマン・ショックの影響で5721億円の最終赤字に陥り、1兆9000億円の資本増強を余儀なくされています。」と報じています。
今回はリーマン・ショックを遥かに超えて「1兆5000億円規模に拡大する可能性がある」わけです。
大丈夫なのか?
『…農協が急激に赤字になっている本当の理由…』では、
“農家の為の組織のはずが、金融部門が儲けすぎていることにより、農家に対して圧力をかける農協。
次第に農協のせいで農家が潰れるとまで言われ、大きくなりすぎた組織は悪魔の組織として解体を望まれるように。
すると令和のこの時代、解体の声を上げるよりも早く、農協が破滅へ向かっていることが発覚した。
それが、大規模赤字による経営破綻だ。(6分28秒)”
と言っています。
詳しくは動画をご覧ください。
自然栽培のメッカである石川県羽咋市の農協職員、粟木政明氏と自然農法家の高内実氏の対談です。
今後のことを考えると、農協が自然農法に舵を切り、自然農法支援のために融資をして、付加価値の高い農産物と消費者を直接つなぐネットワークを構築する方向に向かうと良いと思うのですが…。
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