日米韓の軍事同盟に対抗して中朝露が関係を強化、東アジアでも米国は計算間違い
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アメリカはロシアや中国の周辺にミサイルを配備、いつでも攻撃できる態勢を整えてきた。
本ブログでは繰り返し書いてきたが、自衛隊はアメリカの戦略に基づき、すでに南西諸島でミサイル発射基地を建設している。
2016年には与那国島でミサイル発射施設を建設、17年4月には韓国でTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの機器が運び込まれ始めた。
このシステムをアメリカが持ち込んだ理由は中国を攻撃する能力を高めることにあるとみられている。
しかし、2013年2月から韓国の大統領を務めた朴槿恵は中国との関係を重要視、THAADの配備に難色を示していた。
それにもかかわらずミサイル・システムを搬入できたのは朴大統領がスキャンダルで身動きできなくなっていたからだ。
2013年にはNIS(国家情報院)の大統領選挙介入疑惑を捜査、16年に尹錫烈が検事として朴大統領を捜査する特別検察官チームのトップと就任した。
その疑惑とは、NISが2012年の大統領選挙で朴大統領を勝たせるため、インターネットの書き込みを利用したというもの。
検事だった尹は朴槿恵政権の正当性を攻撃している。
2016年末に韓国の放送局JTBCは朴大統領の友人だった崔順実(崔瑞源)が国家機密情報を受け取っていたと報道、証拠としてタブレット端末を示し、検察はJTBCの報道を「事実」として認め、崔と安鍾範前大統領府政策調整首席秘書官らが職権乱用や公務上機密漏洩などの容疑で2016年11月に起訴され、朴大統領も共犯だとされた。
結局、朴槿恵は失脚したが、JTBCは青瓦台関係者のタブレットPCを入手し、検察と協力し、あたかも民間人が大統領から様々な機密を持ち出したかのように見せかけたのだと主張する人がいる。
報道も捜査もでっち上げだというのだ。
尹錫烈は文在寅政権でソウル中央地検の検事正になり、李明博元大統領や梁承泰元最高裁長官を含む保守派の主要人物を逮捕、文大統領の信頼を得て検事総長になった。
その後、尹は次期大統領候補と目されていた趙国法務部長官(当時)に対する捜査を開始、尹が大統領に就任した後、彼の指揮で検察は民主党の李在明党首を収賄容疑で捜査している。
大統領に就任した尹錫烈はアメリカの命令に従って行動、日本と軍事的な同盟関係を結び、逆に中国やロシアを罵り始める。
朝鮮半島だけでなく台湾問題にも首を突っ込み、東アジアにおける軍事的な緊張を高め始めた。
それだけでなく、武器弾薬が枯渇したアメリカ/NATOに代わり、日本と同じように韓国も武器弾薬を供給する姿勢を見せている。
THAADの後、2019年に奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも自衛隊の軍事施設が完成した。
ミサイルが配備されることになるのだが、この計画はアメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が発表した報告書に記載されている。
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RRA393-3.html
GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲するというのだ。
その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたとされている。
ところが2022年10月、「日本政府が、米国製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入を米政府に打診している」とする報道があった。
亜音速で飛行する巡航ミサイルを日本政府は購入する意向で、アメリカ政府も応じる姿勢を示しているというのだ。
自力開発が難しいのか、事態の進展が予想外に早いのだろう。
トマホークは核弾頭を搭載でる亜音速ミサイルで、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートルという。
中国の内陸部にある軍事基地や生産拠点を先制攻撃できる。
「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約は無視されていると言えるだろう。
そして昨年2月、浜田靖一防衛大臣は2023年度に亜音速巡航ミサイル「トマホーク」を一括購入する契約を締結する方針だと語ったが、10月になると木原稔防衛相(当時)はアメリカ国防総省でロイド・オースチン国防長官と会談した際、アメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入時期を1年前倒しすることを決めたという。
当初、2026年度から最新型を400機を購入するという計画だったが、25年度から旧来型を最大200機に変更するとされている。
こうした計画のベースにはイギリスの支配層が19世紀に始めた長期戦略がある。
ロシア制圧を目指し、南コーカサスや中央アジア戦争を始め、その後、海軍力を生かしてユーラシア大陸の周辺部を支配、内陸部を締め上げるというものだ。
この戦略を可能にしたのは1869年のスエズ運河完成、75年にはイギリスが経営権を手に入れた。
運河を買収した人物はベンジャミン・ディズレーリだが、買収資金を提供したのはライオネル・ド・ロスチャイルドである。
イギリスは1882年に運河地帯を占領し、軍事基地化している。
世界戦略上、スエズ運河はそれだけ重要だった。
(Laurent Guyenot, “From Yahweh To Zion,” Sifting and Winnowing, 2018)
スエズ運河へ入る紅海に面した場所にサウジアラビア、運河のそばにイスラエルをイギリスは作り上げた。
サウジアラビアを作るために利用されたのがワッハーブ派、イスラエルを作るために利用されたのがシオニストだ。
そこから支配地域はインド、東南アジア諸国、朝鮮半島、そして日本につながる。
日本は「明治維新」で徳川体制が倒されたが、その黒幕はイギリスの私的権力だった。
長州と薩摩を中心に作られた明治体制は琉球併合、台湾派兵、江華島への軍艦派遣、日清戦争、日露戦争へと進む。
その背後にはイギリスやアメリカが存在していた。
日露戦争で日本に戦費を用立てたのは、ロスチャイルド系金融機関のクーン・ローブを経営していたジェイコブ・シッフ。
戦争の調停に乗り出したセオドア・ルーズベルト米大統領はハーバード大学出身だが、その先輩にあたる金子堅太郎と親しかった。
ちなみに、関東大震災以降、日本に大きな影響力を及ぼすことになった金融機関は親ファシズムのJPモルガンだ。
日本政府の使節としてアメリカにいた金子は1904年にハーバード大学でアングロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦っていると演説し、同じことをシカゴやニューヨークでも語った。
日露戦争の後、ルーズベルトは日本が自分たちのために戦ったと書いている。
こうした関係が韓国併合に結びついた。
(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)
アラスカ、ハワイ、フィリピンを手に入れ、東アジア侵略を視野に入れていたアメリカにとって日本の韓国併合は願ってもないことだった。
アメリカが最も欲しがっていた場所はカリフォルニアのはるか西にある「新たな西部」、つまり中国東北部だった。
その場所に日本は「満州国」を建国している。
明治体制は琉球を併合した後、台湾へ派兵した。
その台湾で今年1月13日、相当選挙が実施された。
その選挙で勝利した民主進歩党の頼清徳は昨年8月12日にニューヨークを訪問、15日にパラグアイで開かれた大統領就任式に出席した後、16日にサンフランシスコを訪れている。
その直後の8月18日、韓国の尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相がジョー・バイデン大統領の招きでキャンプ・デイビッドを訪問した。
アメリカは中国やロシアとの戦争を想定、日米韓の三国軍事同盟を築きつつあるが、そこに台湾も引き込むつもりだろう。
アメリカは東アジアで中国と戦うため、オーストラリア、インド、そして日本と「クワド」を、またオーストラリアやイギリスと「AUKUS(A:オーストラリア、UK:イギリス、US:アメリカ)」という軍事同盟を組織、NATO(北大西洋条約機構)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は2020年6月、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言しているのだが、中国と戦わされるのは日本と韓国だ。
中国が「ひとつの中国」にこだわるのは、台湾の「独立」がアメリカへの従属につながり、軍事侵略の拠点になる可能性があるからだろう。
「ひとつの中国」という合意を2022年8月2日、アメリカの下院議長だったナンシー・ペロシが台湾を訪問して壊しにかかったのだ。
ペロシはウクライナへも乗り込み、ロシアと停戦協定を結ぼうという動きを潰している。
アメリカが東アジアでの軍事的な緊張を高める中、昨年7月25日にセルゲイ・ショイグ国防相に率いられたロシアの軍事代表団が朝鮮を訪問し、中国の代表団と合流して朝鮮戦争終結を記念する戦勝記念日の行事に出席している。
また、9月10日から13日に開催されたEEF(東方経済フォーラム)に出席するため、朝鮮の金正恩労働党委員長は9月12日から17日にかけてウラジオストックを訪問。
その際、金委員長はプーチン大統領と会談したほか、さまざまなロシア側の要人と会い、さらにSu-35を含むロシアの新鋭戦闘機を生産するユーリ・ガガーリン航空工場を含む工場、あるいは研究所を訪れた。
戦闘機の胴体を組み立てる工場では、Su-57などの第5世代戦闘機に関する技術的な特徴について詳しく質問していたと伝えられている。
またセルゲイ・ショイグ露国防相と太平洋艦隊のフリゲート艦「マーシャル・シャポシニコフ」も訪れた。
日米韓の軍事同盟に対抗するため、ロシアと中国は朝鮮との関係を強化している。
朝鮮の崔善姫外相は1月14日に代表団を率いてロシアを訪問、16日にはセルゲイ・ラブロフ外相に続いてウラジミル・プーチン大統領とも会い、両国の関係と協力を促進することについて話し合ったという。
アメリカは容易に動けない状況だが、中国やロシアを征服するというのは妄想を捨てないだろう。
目先の動きに振り回されてはならない。
兵器の性能も生産力も露国より劣る米国はギリシャにソ連製兵器を供給させる
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ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相はギリシャ軍が保有するソ連製兵器をウクライナへ譲渡するように指示したと伝えられている。
その前にアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官がミツォタキス首相に対し、2億ドルの援助と引き換えに兵器の譲渡・売却を提案していたという。
それだけウクライナ軍は兵器が不足しているということだ。
アメリカ政府の圧力で日本はアメリカへ迎撃ミサイル「PAC3」を輸出する。
そのため、岸田文雄政権は12月22日、防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定した。
「ライセンス生産」した完成品をライセンス元の国へ輸出することもできるようにしたのだ。
これはウクライナへ防空システムを供給するためだろう。
韓国はウクライナへ155ミリ砲弾などを供給している。
昨年中からウクライナの武器弾薬不足は深刻になっていた。
ロシア軍がウクライナの兵器庫を爆撃していることもあるが、アメリカ/NATOの生産力はロシアの数分の1にすぎず、アメリカを含むNATO諸国も兵器が枯渇している。
性能の面でもアメリカ/NATOの兵器はロシアより数十年遅れていると言われている。
ソ連の消滅で戦争の相手は航空兵力を持たない弱小国だけになったと思い込んだのか、高性能兵器ではなく高額兵器をアメリカは作るようになったようだ。
その象徴が「空飛ぶダンプカー」と呼ばれているF-35戦闘機だ。
戦闘機だけでなくミサイルでもロシアはアメリカを圧倒している。
「ロシアがアメリカとの技術格差を埋めた」というような状態ではないのだ。
イギリスのベン・ウォレス前英国防相は10月1日、戦場で戦うウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えているとテレグラフ紙に寄稿した記事の中で指摘、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している。
平均年齢は42歳だと言われ、戦場では50歳代や60歳代のウクライナ兵が戦っている。
ロシア軍の兵士によると、戦場で妊婦のウクライナ兵を見つけたという。
ロシア軍は1月16日にウクライナのハリコフを攻撃、ウクライナの軍事施設のほか、情報機関や軍関係者が滞在していた旧ハリコフ・パレス・ホテルを破壊したが、その旧ホテルには200人い外国人傭兵が滞在していたと言われている。
戦闘員の大半はフランス人傭兵で、そのうち60名が死亡、20人以上が医療施設に搬送されたという。
西側の武器を扱えるようにウクライナ兵を訓練する余裕はなく、そうした兵器を扱えるオペレーター、パイロット、整備士などを派遣する必要もある。
旧ハリコフ・パレス・ホテルで死亡した傭兵はそうした人びとだろう。
ウクライナ軍は戦える状態ではない。
そこで大統領をウォロディミル・ゼレンスキーからバレリー・ザルジニー最高司令官へ交代させ、戦闘を終結させようとする動きがある。
そうした中、ロシア軍のIL-76輸送機がフランス製のSAMP-T対空ミサイル2機によって撃墜され、捕虜交換に向かうウクライナ兵65名、乗員6名、ロシア軍の付添兵3名が死亡している。
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