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大阪府岸和田市の山あいに位置する「大沢町」。
去年10月の台風で集落の近くの山では大規模な土砂崩れが起きましたが、7か月以上経った今も現場は放置されていて、梅雨シーズンの到来に住民たちは「また崩れるのでは…」と不安の日々を送っています。.
放置されたままの土砂崩れ現場
今年4月、大阪府と岸和田市が大沢町で開いた住民説明会は紛糾しました。
「弱いものいじめですよはっきり言って、学校で言ういじめと一緒」(住民)
「ちょっと待って。さっきの話と全然違う。おちょくりに来たんと違いますか」
住民たちが苛立つのにはわけがありました。
大沢町の集落に住む北川健一さん(71)。
自宅の周りは豊かな自然に囲まれ、のどかな生活を送っていました。
ところが今は近くの山のことが心配で、毎日のように見に来ているといいます。
「いつ崩れてくるか、かなり心配しています」(北川健一さん)
むき出しになった山肌。
土砂崩れが起きたあの日、見慣れた光景は一変しました。
去年10月、大沢町を直撃した台風21号。
大雨の影響で山の斜面が最大幅100メートル、長さ200メートルにわたって崩れ落ちたのです。
さらに、大量の土砂が山のふもとを流れる川をせき止め水があふれだし、当時車を運転していた女性1人が死亡。
家屋や工場などが浸水しました。
あれから7か月。
土砂崩れの現場は安全対策を講じられることもないまま、放置されたままになっています。
「台風のあと、また崩落しているんですよね、何回かに分かれて崩落してる」(北川健一さん)
Q.形が変わっていますか?
「どんどん変わっています」
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「こんなところ住まれへん」引っ越した住民も
北川さんら約90世帯が住む下大沢集落は、土砂崩れがおきた現場から、わずか200メートルの距離に位置します。
大雨が降って再び土砂が崩れると、川に流れ込んであふれた水が集落まで及ぶのではないかと心配しています。
『なんとか対策をとってほしい』北川さんたち住民は何度も府や市に訴えてきました。
しかし…
「『崩れたらどうなるの』と質問すると『崩れたらまた直します』それしか言わない」(北川健一さん)
「やる気がないと思います、私は。やろうと思えば何らかのやり方、結局は探す気がないのかなと」(大沢町の住民 上野百美さん)
対策が一向に進まない中、住み慣れた地での生活を断念した人もいて、すでに集落から2世帯が引っ越していきました。
「大変やったんでね。ずっと続くのかなと思ったら、女房なんかは『こんなところ住まれへん』と」(今年4月に引っ越した人)
「私有地のため積極的に介入できない」
土砂崩れの現場はなぜ7か月以上放置されているのか。
岸和田市の担当者に話を聞きました。
「実際には民地ということでなかなか法律をもって、強制的にどうこうできない」(岸和田市・危機管理監 宮下省吾さん)
『現場は私有地のため積極的に介入できない』というのです。
実は土砂が崩れた現場は地元の建設会社の元社長が所有していました。
5年前から栗の木を植える「農地造成」を目的に、木を伐採して大量の土を運び込んでいました。
中には産業廃棄物がまじっていたこともあり、複数回にわたり府の指導を受けていました。
ただ、当時土を運び込んで埋め立てる行為自体には行政の許可が必要なかったため、積み方などについて指導を受けることはありませんでした。
土の量が増えるにつれ、集落の人たちの不安も募っていったといいます。
「積んでる自体でこの村の人もみんな言ってたんですよ、あれ危ないぞと」(地元の人)
「そこへ土を積まなければ、あんなことになってなかったんでしょうけどね」
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住民「人災」行政「天災」
こうして今年4月、大阪府と岸和田市による住民説明会が行われるようになったのです。
住民たちは土砂崩れの原因を調べるとともに、早急に対策を打つよう訴えました。
「山崩れじゃないんですよ、あれ。積んだ土が崩れただけ」(住民)
「100年に1度と言われる大雨で起こった」(永野耕平岸和田市長)
「そんなことは関係ないわ」(住民)
「天災だと考えてます」(永野耕平岸和田市長)
「調査も何もしないで『天災です』、なにが天災なんですか、あれが」(住民)
「明らかに人災」だという住民側に対し、「天災」だと繰り返す行政側。
安全対策を求めると…
「砂防のダムやないけれども、擁壁を早急に造ってほしい。また台風がきて大雨が降った、崩れてくることになったら、いまのやつやったら屁のツッパリにもなりまへんわな」(住民)
「民地でありますけども、一生懸命法律に則ってやるしかないんで。法律の壁はありますけれども、お願いすべきことは徹底的にお願いしまして、やっていきたいと思います」(永野耕平岸和田市長)
建設会社の元社長に対して、安全対策を講じるよう要請すると述べるにとどめました。
専門家「早急に対策を打つべき」
土砂崩れ現場の危険性について、地盤防災の専門家は次のように指摘します。
「崩れたのをそのままにしておくと緩い状態ですので、崩れた亀裂の隙間から水が入ったりするので、それがさらに崩れを助長することがある」(関西大学社会安全学部 小山倫史准教授)
今の状態ではとても危険だとしたうえで、早急に対策を打つべきだと話します。
「吹き付けのコンクリートで(表面を)固めるとか、下の方に応急的に土砂が流れてきて少し止める機能をつけてるが、あれだともっと大きいのが来ると不安なので、もう少し重厚なものにして崩れてくる土砂をおさえる。おさえると言っても、上は対策を立てないとダメだと思う」(関西大学社会安全学部 小山倫史准教授)
土地を所有する建設会社の元社長に取材を申し込んだところ、次のような返答がありました。
「まさかあんな雨が降るとは想定していなかった。斜面の上に残る土は応急的に後ろに下げて安全を確保した。今後の作業については作業員の安全も考えて、進めないといけないと考えている」(建設会社元社長).
5月30日、北川さんたちは市役所を訪れ市長に対し、再発防止の取り組みなどを問う公開質問状を渡しました。
Q.今後どう対応しますか?
「期限を区切って回答しますから」(永野耕平岸和田市長)
「とにかく何をやっていいかわからない。対策を取りようがない。仕方がないから山に見に行く。見に行くたびにカッカッしてると」(北川健一さん)
大澤町の土砂崩れの映像と、人災の疑いで残土管理者のヤノコーポレーションへ取材。
https://watchdogkisiwada.wordpress.com/2017/10/23/%E5%A4%A7%E6%BE%A4%E7%94%BA%E3%81%AE%E5%9C%9F%E7%A0%82%E5%B4%A9%E3%82%8C%E3%81%AE%E6%98%A0%E5%83%8F%E3%81%A8%E3%80%81%E4%BA%BA%E7%81%BD%E3%81%AE%E7%96%91%E3%81%84%E3%81%A7%E6%AE%8B%E5%9C%9F%E7%AE%A1/
大阪維新の会公認
永野 耕平 岸和田市長
父親の永野孝男が経営する 社会福祉法人岸和田学園
岸和田市長選挙、永野耕平(維新)府議出馬表明の裏事情
https://ameblo.jp/takahira-masaaki/entry-12343203459.html
なるほどね
人口も減るね