難民危機を扇動しエリート支配体制を破壊させる | きなこのブログ

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欧州の難民危機を煽るNGO
https://tanakanews.com/161229refugee.htm
 
今回から、記事の冒頭で、書きたいことを先に要約する。
 
リビア(北アフリカ)からイタリアへの地中海をわたる経済難民(不法移民)の流入を、欧州のNGO群が支援している。
 
リビアのマフィアがアフリカ全土から勧誘して有料で連れてきた不法移民をリビア沖の領海の外れまでゴムボートで運び、それをNGOの船が引き取ってイタリアの港まで運んで難民申請させ、NGOが欧州の難民危機を扇動している。
 
このルートの難民流入は、トランプが当選した米大統領選の少し前から急増し、今年の流入は前年比2割増の17万人。
 
最近は、その4割を26の欧州NGO群が運んでいる。
 
要約続き。
 
NGOのこの行為の真意は不明だ。
 
NGOは「溺死防止という人道支援」だと言っているが、政治的な効果を考えると、別な意図が感じられる。
 
難民流入が増えるほど「欧州リベラルエリート層の最後の希望」である独メルケル首相の人気が下がり、EU各国の反エリートな極右極左勢力が政治台頭する。
 
先日のベルリンのトラック突っ込みテロだけで、メルケルの人気がガタ落ちで、来年夏の選挙でのメルケルCDUの勝算が下がった。
 
難民をリビアから送り出すマフィアにはアルカイダやISも絡んでいる。
 
NGOは、欧州のテロ頻発を煽っている。
 
要約続き。
 
NGO群の黒幕は誰なのか。
 
問題視されにくい隠然性から考えて、諜報界が絡んでいる。
 
EUの極左極右の多くは親ロシアなので「プーチンの仕業」にされそうだが、ロシアはリビア内戦終結に向けて努力しており、難民流入扇動と反対の動きをしている。
 
欧州のリベラルエリート支配を潰したいトランプ陣営、という説も出そうだが、欧州の難民危機の扇動は一昨年からであり、トランプ出馬よりはるかに前だ。
 
むしろ、米国でトランプ現象を引き起こした勢力が、欧州でも同じ現象を起こそうとして、何年もかけて難民危機を扇動している感じだ。
 
かつてトロツキーをモスクワに送り込んでロシア革命を扇動し、英国の単独覇権(列強体制)を壊して多極化しようとしたNYの資本家群が、今回も、米単独覇権を壊すために欧州に介入しているのかもしれない。
 
要約ここまで。
 
▼リビアの密航業者を儲けさせている欧州の難民支援NGO
 
内戦で国家崩壊している北アフリカのリビアから、地中海対岸のイタリアにわたる海路は、トルコからギリシャの島へのルートと並び、欧州への難民流入の2大経路だ。
 
リビアのマフィアが、リビア人だけでなく、隣接国のニジェールやアルジェリア、もっと遠くからの越境組も含め、経済難民(違法移民)として欧州にわたって金を稼ぎたい人々からカネをとり、リビアの海岸から漁船などに乗せて地中海に送り出す。
 
以前は、リビアを出港した難民輸送船がそのままイタリアの港まで来たが、最近は、リビア沖の領海を外れたところでNGOの船が待っていて、難民たちは海上で船を乗り換え、NGOの船でイタリアに向かうことが多い。
 
今年の初めまで、リビアからイタリアに渡航してくる難民(違法移民)のうち、NGOの船に乗ってイタリアに入港する者は2-3%にすぎなかったが、今秋に急増して約40%にもなっている。
 
NGOと密航業者の連携が強化された感じだ。
 
リビア・イタリアルートの流入難民の総数も、秋から増加し、今年の総流入数は昨年比2割増になっている。
 
地中海の海水温が低い秋冬は通常、難民の密航が減る時期であり、今秋からの増加は異様だと、欧州の外交官が言っている。
 
リビアなどアフリカ側の難民送り出し業者が「間もなくリビア経由でイタリアに行く難民ルートが通れなくなるので、行きたい人は急いだ方がいい」と煽っているという。
 
EUの外交部門(EEAS)が作った報告書によると、リビア・イタリア海路に船を出して難民(違法移民)の渡航を助けているNGOは26組織ある。
 
マルタに本拠地を置くMOAS(Migrant Offshore Aid Station)、
ドイツの「Jugend Rettet」や「Sea-Watch.org」「Sea-Eye.org」、
オランダの「Stichting Bootvluchteling(ボート難民基金)」、
スペインの「Proactiva Open Arms」などだ。
 
「国境なき医師団」や「セーブザチルドレン」も地中海を渡航する難民を助けている。
 
いずれの団体も、欧州の「善意ある人々」からの寄付を募っている。
 
彼らは、国際海洋法が、航行中の船舶に対し、海上で困っている人がいたら助ける義務を課していることに依拠し、地中海に船を出し「偶然に遭遇」した難民船に乗っている困っている人々を自分たちの船に乗せてイタリアまで送り届けていると言っている。
 
NGOの船が難民船に出会うリビア沖からは、イタリアよりチュニジアの方が近いが、難民をチュニジアの港に送り届けるとリビアに送還されて当局から人権侵害を受けかねないという理由で、遠くのイタリアまで運んでいる。
 
いったんイタリアに上陸した違法移民たちは難民申請し、EUの国境検問廃止のシェンゲン体制を利用し、独仏など他のEU諸国に自由に行けるようになる。
 
NGOの難民救援は「人道支援」の体裁で貫かれているが、視野を広げると、そんなきれいごとでないとわかる。
 
NGOの行動は、アフリカからEUへの違法移民の流入を扇動している。
 
アフリカ側では、マフィア的な密航支援業者が、今ならカネさえ出せば簡単に欧州に出稼ぎに行けるぞと人々に宣伝し、各地からリビア沖にどんどん密航者を連れてくる。
 
以前は、リビアを発った船でそのまま400キロもわたってイタリアまで行かねばならず、比較的大きな漁船などが必要だった。
 
いったんイタリアに入港した船は伊当局に没収され、密航業者のところに戻ってこないので、業者が密航者から徴収する渡航費用も高かった。
 
だが今年に入り、上記のNGOの船がリビアの海岸から12海里(22キロ)の領海内の、すぐ外までやってきて、密航業者の船から密航者(難民)たちを引き取ってNGOの船に乗せてイタリアまで送り届けるようになった。
 
NGOは合法な「人道支援」をしているので、船を没収されず、イタリアとリビア沖を往復し続けている。
 
密航業者は、以前のようにイタリアまで行ける船を用意する必要がなくなり、12海里を航行できる安いゴムボートで密航者をNGOの船まで送り届け、そのままボートは海岸に戻り、次の密航者群を乗せてまた出発することを繰り返せるようになった。
 
渡航費用が大幅に下がり、密航者(難民)の急増と、密航業者の利益急拡大が起きている。
 
リビアは内戦で無政府状態なので、領海の警備ができていない。
 
NGOの船のいくつかはリビアの領海内に入り、密航業者のゴムボートの航行距離をさらに縮めることもやっている。
 
密航業者はますます助かっている。
 
EUは、NGOと密航業者が共謀していると見る傾向を強めている。
 
密航業者や密航者の中には、アルカイダやISもたくさん入り込んでいる。
 
彼らは密航者を運ぶだけでなく、麻薬も難民船に乗せてイタリアに運んで儲けている。
 
NGOは、密航者がテロリストでなく、麻薬も持っていないことを確認していないだろう。
 
密航業者がイタリアの沿岸警備隊や入国審査官に贈賄しているという指摘もある(macedoniaonline.euなど)。
 
▼難民流入扇動は、メルケルら欧州のリベラルエリート支配を破壊する策
 
これらのNGOは、アルカイダやISが欧州でテロを頻発させるのを助けている。
 
「テロ支援組織」である。
 
だが、テロリストの支持者がこれらのNGOを運営しているのではないだろう。
 
NGO群が、隠された政治意図を持つとしたら、おそらくそれは欧州を「イスラム国」に変質させることでなく、難民危機を扇動することによって、欧州の既存のエリート支配の政治体制を破壊して、極左極右などポピュリスト勢力の権力を拡大することだろう。
 
12月19日にベルリンで起きた大型トラック市場突っ込みのテロ事件は、容疑者のアニス・アムリ(Anis Amri)が、チュニジアからイタリア経由でドイツに来た難民だった(アニスは真犯人でなく「おとり」の可能性もあるが、事件後にイタリアで警官に職質され拳銃で撃ってきたので射殺された)。
 
あのテロ事件で、EU最強の権力を持っていたドイツのメルケル首相の人気低下に拍車がかかり、来夏の選挙でメルケルの与党(中道右派のCDU)が勝って政権を維持できる可能性がぐんと下がった。
 
2015年からのEU難民危機の中で、メルケルは難民を積極的に受け入れる政策をとった。
 
その政策は当初「人道重視」と喧伝され、リベラルな人々に好評だったが、やがてEUの多く国々で、大きな問題を引き起こした。
 
低所得層向けの住宅の家賃が上昇し、雇用の面でも地元の低所得層と難民が仕事を奪いあっている。
 
フランスでは今年10月、英国に渡りたい難民が作った英仏海峡に面したカレーの難民キャンプ「ジャングル」を当局が強制撤去したところ、難民がパリ市内に流入し、観光地となっている市街の路上を占拠することになった。
 
ドイツなどでは、難民の若い男たちが、地元民のホームレスを襲撃したり、女性に襲いかかるなどの犯罪をやっている。
 
ローマは、市民の貧困層と難民との戦いが激化して内戦状態で、ゲルマン民族の流入で混乱したローマ帝国末期のようになっている。
 
欧州の人々は、リベラル主導のエリート層が進めた難民受け入れ政策への不満を強めている。
 
メルケルは人気が低下傾向だが、彼女が権力を手放すと、欧州の政治全体がリベラル性を失い、反リベラル・ナショナリズム的なポピュリズムが勃興する。
 
リベラル主義は、欧米同盟(欧州の対米従属)を維持する思想信条でもあった。
 
欧州がリベラルでなくなると、欧米同盟・米国覇権・NATOが崩壊に近づく。
 
欧州リベラルエリート層の「最後の希望」であるメルケルは、人気低下をかえりみず、与党CDUの党首をやめず、続投して来夏の総選挙を戦うことを決めた。
 
メルケルが続投する限り、難民に寛容な欧州の政策が根本から変わることはない。
 
メルケルは、難民危機を小康状態にして、来夏の選挙で何とか勝ちたい。
 
来年はフランス大統領選もある。
 
だが、エリート層の思惑をぶち壊すかのように、NGOがリビアからイタリアにどんどん難民を流入させている。
 
ローマ帝国末期的なEUの状態は悪化の傾向だ。
 
トルコのエルドアン大統領は、以前から何回も「EUがトルコを尊重しないなら、何百万人もの難民をEUに流入させてやる」と述べ、難民の欧州流入が「自然」な動きでなく、政治意図に基づき扇動されたものであることを示唆してきた。
 
NGOの海上での難民流入支援は、この傾向を加速している。
 
メルケルらEUのリベラルエリートが選挙に負け、極左や極右が欧州各国の権力中枢に入ってくると、国家統合のEUやユーロが崩壊し、バラバラな国民国家、各国通貨に逆戻りすると考える人が多い。
 
だが私は、そう考えていない。
 
たとえばフランスでマリーヌ・ルペンの対抗馬として台頭してきた共和党の統一候補フランソワ・フィヨン元首相は、フランスがドイツとの国家統合を維持して、国際的に強い欧州を保つべきだと考えている。
 
広がりすぎたEUを縮小することで、最強化しようとしている。
 
自分の権力強化を望むのが政治家だ。
 
EUを解体して昔の国民国家に戻すことは、独仏の政治家にとって、権力の縮小を意味する。
 
米国では、トランプ陣営がリベラルエリート(クリントン陣営、軍産複合体)を権力の座から引きずり下ろした。
 
トランプ陣営は、欧州のリベラルエリート潰しにも協力したがっている。
 
欧州のリベラルエリートは、対米従属なのでロシア敵視だが、欧州の極右極左のポピュリスト勢力が親ロシアで、この点でもトランプと欧州極右極左は同類だ。
 
プーチンのロシアは、難民の送り出し諸国となっているシリア、リビア、アフガニスタンのいずれでも、内戦終結と国家安定化を目指す国際戦略をやっている。
 
EUの人々が難民危機を解決し、難民が祖国に帰れるようにしたいなら、ロシアを敵視するのをやめて、プーチンの国際戦略に協力するのが良い。
 
その点でも、メルケルは早く敗北・下野し、トランプ革命が欧州に波及した方が良い。
 
地中海のNGOは、その動きを加速している。
 
 
【マリーヌ・ル・ペン氏:「フランスはNATOとEUを離脱する必要があり、ユーロゾーンは他国と同時に抜ける必要がある」と述べる】
https://richardkoshimizu.wordpress.com/2016/12/25/%e3%80%90%e3%83%9e%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%8c%e3%83%bb%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%83%9a%e3%83%b3%e6%b0%8f%ef%bc%9a%e3%80%8c%e3%83%95%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%81%afnato%e3%81%a8eu%e3%82%92%e9%9b%a2/