教科書ご都合修正 | きなこのブログ

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教科書から『イラク侵攻』が消える
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2016/03/post-a78f.html

情報統制社会は、横暴で強力な権力に対する忖度によって支配されているので、採り上げてはならないことは、比較的、わかりやすいようで、米国のパイプライン計画撤回をトランスカナダ社がISDに持ち出したことや、スティグリッツ氏がTPPを根本的に批判していることなどは、各社の検閲コードが一致しているよう だ。

各社の検閲コードには、“TPPの問題は関税問題以外は触れてはならない”と書いてあるに違いない。

米国のパイプライン計画撤回に対して、カナダ企業が巨額の賠償を求めたことは、経済問題としても重要なので、日本経済新聞は書かざるを得なかった事情があるようだ。

だから、赤旗を除くと、採り上げたメディアは日本経済新聞がおそらく唯一だ。

その書きっぷりがすごい。

カナダ企業、パイプライン建設申請却下で米を提訴
2016/1/7 10:54
【ワシントン=川合智之】原油パイプラインの建設申請をオバマ米政権に却下されたカナダのエネルギー企業トランスカナダは6日、却下はオバマ大統領の権限を越えた判断だとして、米テキサス州ヒューストンの連邦裁判所に提訴したと発表した。

パイプラインへの投資額など総額150億ドル(約1兆8千億円)超の損害賠償も請求した。

同社が計画したのは、カナダから米テキサス州に原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン」。

オバマ政権は建設を認めると石油消費が増え気候変動に悪影響があると判断し、昨年11月に申請を却下した。

同社は6日の声明で、オバマ政権の判断には「恣意的で根拠がない」と批判した。

連邦裁判所に大統領権限逸脱の提訴をしたとする、すぐ次に「損害賠償も請求した」と書いているので、誰が見ても国内裁判所に提訴したとしか読みようがない。

米国では、賠償請求をISDに持ち込んだことが大問題になっているのに、検閲コードに従えば、ISDが大問題になっていることは決して書けない。

検閲コードに従うと、マンガのような記事しか書けない。

誤報ともねつ造とも言いがたい、読者を誤解させる目的で書かれた記事を何と呼べばいいのだろう。

情報統制社会では、検閲コードにかからないことを最優先にニュースが作られる。

問題の重大性に応じた標準的な報道が存在しないというのが、甚だ厄介だ。

当然、知られているだろうと思われることも意外に知られていなかったりする。

これでは国民の共通認識が何も成り立たなくなってしまう。

議論の前提が奪われてしまうのだ。

教科書から『イラク侵攻』という記述が消されるという話は、さすがのNHKも7時のニュースで報道していたので、周知のことと思われたが、検索してみると、どうもそうでもないようだ。

米国が国際法違反を認めていない以上、違法性を窺わせる「侵攻」は適切ではないとして修正を求めたというのが文科省の言い分だ。

教科書から『イラク侵攻』が消えるということは、イラク戦争が違法な戦争だったという歴史的評価がタブーになる先駆けである。

各社の検閲コードには「タブーの存在を知らせてはならない」と書かれている模様なので、各社とも触れていないのだろう。

米国では大統領候補すら、侵略を意味する“invade”を使っているのに、日本では、米国の名誉を傷つける『イラク侵攻』が官僚によって消され、タブーとなる

かつて日本は朝鮮を植民地支配した。

皇民化教育は、日本におけるより植民地朝鮮において、より厳格に実施された。

今の日本の官僚組織は、朝鮮総督府の官僚組織と同様に厳格に宗主国に忠誠を誓い、マスコミは忖度検閲コードを厳格に適用して宗主国(軍差複合体やウォール街)の名誉を害することは決してしない。

戦後レジームからの脱却などというと勇ましげだが、何のことはない。

戦後レジームから脱却した先は米軍占領下に戻るということだったのだ。

念のため、『イラク侵攻』を消し去った教科書検定を伝えるニュースを引用しておく。

教科書検定 集団的自衛権の行使容認を記述
3月18日 19時14分
今回の検定に合格した教科書では集団的自衛権の行使容認に関して「現代社会」と「政治・経済」の12点のすべての教科書が記述をしているほか、7点の「倫理」や「世界史」、それに「日本史」の教科書も触れています。

今回の検定は去年5月までに申請された教科書が対象になっていて、これらの教科書は、おととし、政府が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行ったことなどについて取り上げています。

記述の中には、集団的自衛権を巡る政治の動きについて解説したもののほか、個別的自衛権と比較して違いを説明したり、図柄を使って集団的自衛権が行使される場合の例を紹介したりして、生徒が理解しやすいよう工夫がされています。

今回の検定では、これらの記述のうち3点の教科書の合わせて5件の記述内容に修正を求める意見が出されました。

このうち現代社会の教科書では、「第9条の実質的な改変」という見出しについて、「生徒が誤解するおそれのある表現である」という意見がつき、「自衛隊の海外派遣」と修正されました。

また別の現代社会の教科書では、「これからの「政治」の話をしよう」と題した教員と生徒の会話を掲載していますが、このなかの集団的自衛権について触れている記述に修正を求める意見が付きました。

教員が「戦後ずっと平和主義を国是としてきた日本が世界のどこでも戦争ができる国になるのかもしれないね」と話している部分が、「生徒が誤解するおそれのある表現である」として意見がつけられました。

その結果、「戦後ずっと日本の国是とされてきた平和主義のあり方が大きな転換点を迎えているといえるのかもしれないね」修正されました。

さらに、安倍内閣が掲げる「積極的平和主義」について解説した脚注では、

これは、第二次安倍内閣の政策として掲げられ、集団的自衛権と集団的安全保障に関する憲法解釈を変更し、アジア地域をはじめとする広範な地域で自衛隊の活動を認めようという考え方」

という記述に対して「生徒が誤解するおそれのある表現である」という意見がつけられました。

その結果、記述が変更され、「第二次安倍内閣の政策として掲げられた国際協調主義にもとづく考え方。専守防衛や軍縮、国連PKOへの積極的参加などに加え、集団的自衛権の行使を含む自衛隊の活動を憲法解釈の変更によって認めることにより、国際社会の平和と安定および繁栄の確保に、積極的に寄与していこうとするもの」となりました。

従来認められてきた記述に修正意見多数

今回の検定では、新しい基準や指針の改訂に基づくもの以外でも、これまでは認められてきた記述に修正を求める意見が多く付きました。

「日本史」の教科書6点を例に見ますと、検定意見は合わせて206件で、このうちこれまで認められていた記述の修正を求める意見は、新基準と「解説書」の改訂に基づくものを除いて69件と、3分の1を占めました。

具体的な意見の内訳では、「生徒が誤解するおそれのある表現である」が最も多く30件でした。

例えば、「2001年のアフガン戦争、2003年のイラク戦争に際しては、一連の特別措置法にもとづき自衛隊を派遣した」という記述は、前回の検定に合格し、今使われている教科書に載っていますが、今回は派遣の目的が誤解されるおそれがあるとして修正を求められました。

その結果、「2001年のアフガニスタン紛争に対してはテロ対策特別措置法を制定し、海上自衛隊の艦船をインド洋に派遣して給油をおこなった。2003年のイラク戦争に対してはイラク復興支援特別措置法を制定し、人道支援に当たった」と、派遣の経緯や活動内容を加えた記述にして検定に合格しました。

文部科学省は「社会状況の変化にともない、従来の表現のままでは自衛隊が戦闘行為をするために派遣されたと誤解されるおそれがあるので修正を求めた」としています。

これまでは認めてきた記述に修正を求める意見は「現代社会」でも66件と、全体の3分の1を占めています。

例えば「2003年のイラク戦争の際、アメリカが国連の決議なしに開戦した」という記述が認められてきましたが、今回は「開戦の経緯について誤解する」という意見が付き、教科書会社は「アメリカが国連での明確な決議なしに」と、「明確な」ということばを加えました。

イラク戦争をめぐっては、別の教科書の「米英などイラク侵攻」という記述にも「生徒が誤解するおそれのある表現だ」と意見が付き、「米英などイラク攻撃」と修正されました。

これについて文部科学省は「アメリカは国連決議に基づく軍事行動だとしており、『侵攻』ということばは違法性が高い印象を与えるため修正を求めた」としています。











また、これまでは認めてきた記述に多くの修正を求めたことについて文部科学省は、「より正確でバランスのとれた教科書にするという検定基準見直しの趣旨を踏まえ、踏み込んで意見を付けた。これまでが寛容すぎたと考えている」と話しています。