クローズアップ現代 極めつけ有能な看板キャスターを手放すNHKの愚
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2016/02/nhk-3be2.html
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1月初めの初報は確か国谷裕子氏の降板の意向と伝えられた記憶だが、その後の情報からすれば、国谷氏の降板は、NHK上層部ないしそれ以上の意向に間違いない。
現在のテレビ界で国谷氏を超える総合力のあるキャスターはいない。
集団的自衛権行使容認の閣議決定直後の管官房長官に対するインタビューだけがクローズアップされがちだが、
ミツバチ大量死を疑われるネオニコチノイド問題(EUが2013年12月から2年間の使用制限をかけるとのニュース)を採り上げ、
健康食品の機能性表示の自由化を採り上げている。
降板が決まった後になるが、先日は、子宮頸ガンワクチン問題を採り上げた。
これらの回は、バランスよく取材報道されており、非の打ちようがない内容だった。
こうした問題はマスコミが採り上げることがない問題ばかりだ。
巨大な影響を及ぼすテレビが採り上げたのは、子宮頸ガンワクチン問題を除けば、ほぼ見たことがない。
ネオニコチノイド問題の背景には、TPPの中核的な推進企業であるモンサントと提携する住友化学が控えている。
健康食品の機能性表示の自由化は、TPP問題そのものである。
子宮頸ガンワクチンの背後には、これまたTPPの有力な推進企業であるグラクソ・スミスクライン(米法人)が控えている。
これらのテーマを採り上げること自体に、少なくとも、強力な自粛圧力がかかっていたことは間違いないだろう。
だから、採り上げ方は、見ている方にはやや不満を残すほどに、多様な意見を紹介しながら、視聴者に問題を投げかけるものだった。
極めて幅広い問題を採り上げながら、30分弱の生放送にインタビューを含めて、収める手腕もすばらしかった。
3月限りとされる番組を今は時間が合うときは、名残り惜しく見ている。
ガンとの向き合い方を採り上げた2月9日放送の終わり際、ゲストで呼ばれた樹木希林さんは、出演依頼を受けて喜んでお受けした、国谷さんにお会いしたいから、と話し始め「国谷さんは本当にすてきな仕事ぶりだなと思って」「そしてNHKは大変な財産を」と、ここで一呼吸入れ「お持ちだなって」と。
ツイッターに終わり際の29秒の動画が上がっている。
「ありがとうごうざいます」と答える国谷氏の声が感に堪えた声に感じるのは僕だけだろうか。
樹木希林さんも国谷氏の続投を求めて、覚悟を決めて語ったに違いない。
世が世なら、NHKが手放せば、引く手あまたのはずだが、この4年ほどで歪みきったマスコミではそうではない。
有能な人材を排除していく日本にとって、粛清の進む他国の出来事は他人事ではない。
せめて国谷氏の4月以降の続投を改めて強く望まないわけにはいかない。
たとえ一年であっても踏ん張ることが重要だから。
NHK上層部によるクロ現の「顔」交代に、現場からは「背景にあるのは忖度」の声
http://webronza.asahi.com/authors/2010052600045.html
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23年間にわたりNHKの看板報道番組「クローズアップ現代」のキャスターを務めてきた国谷裕子さん(58)が3月17日を最後に降板する。続投を強く 希望した番組担当者の意向が認められず上層部が降板を決断した背景には、クロ現をコントロールしたいNHK経営層の固い意思がうかがえる。
クロ現は4月から「クローズアップ現代+」と番組名を一部変え、放送時刻も午後10時からと深くなる。
NHK関係者によると、黄木紀之編成局長がクロ現を担当する大型企画開発センターの角英夫センター長、2人のクロ現編集責任者と昨年12月20日すぎに 会った際、国谷さんの3月降板を通告した。
「時間帯を変え内容も一新してもらいたいので、キャスターを変えたい」という説明だった。
センター側は「国谷さんは欠かせない。
放送時間が変われば視聴者を失う恐れがあり、女性や知識層の支持が厚い国谷さんを維持したまま、番組枠を移動させる べきだ」と反論した。
しかし、黄木編成局長は押し切った。
過去に議論されたことがなかった国谷さんの交代が、あっけなく決まった。
国谷さんには角センター長から12月26日、「キャスター継続の提案がみとめられず、3月までの1年契約を更新できなくなった」と伝えられた。
国谷さんの降板にNHKが動きを見せたのは、10月下旬にあった複数の役員らが参加したを放送総局幹部による2016年度編成の会議だった。
編成局の原案では、月~木曜の午後7時30分からのクロ現を、午後10時からに移すとともに週4回を週3回に縮小することになっていた。しかし、記者が出 演する貴重な機会でもあるクロ現の回数減に報道局が抵抗し、週4回を維持したまま放送時間を遅らせることが固まった。
報道番組キャスターや娯楽番組司会者については、放送総局長の板野裕爾専務理事が委員長、黄木編成局長が座長をそれぞれつとめ部局長が委員となっている キャスター委員会が決めることになっている。
番組担当者からの希望は11月下旬に示され、クロ現の場合は「国谷キャスター続投」だった。
現場の意向を知っ たうえでの降板決定は、NHK上層部の決断であることを物語っている。
現場に対しても「番組の一新」という抽象的な説明しかなかった降板の理由について、あるNHK関係者は「経営陣は番組をグリップし、クロ現をコントロールしやしくするため、番組の顔である国谷さんを交代させたのだろう」と指摘する。
その伏線となったのは、2014年7月3日、集団的自衛権の行使容認をテーマにしたクロ現に菅義偉官房長官に出演したときの出来事だった。
菅長官の発言に対し「しかし」と食い下がったり、番組最後の菅長官の言葉が尻切れトンボに終わったりしたためか、菅長官周辺が ・・・
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国谷キャスター降板で番組コントロール狙う(下)
「出家詐欺」のやらせ疑惑が活用された形跡、後任は複数制のNHK女性アナが有力
NHKのあるプロデューサーは「国谷裕子さんあってのクローズアップ現代なのに」と、今回の降板を素直に受け止められていない。
インターネット上でも国谷さん降板を惜しむ声が、圧倒的に多い。
こうした局内外の意見とは別の論理で国谷さん降板に利用されたのが、クロ現で2014年5月に放送された「追跡“出家詐欺”」のやらせ疑惑だっ た。
15年11月6日に意見書を公表した放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会がフジテレビ「ほこ×たて」以来2件目という「重大な倫理 違反」を認定した。
15年3月に、出家詐欺のブローカーとされた男性が週刊誌で「記者にブローカーの演技をするよう頼まれた」と述べ、疑惑が明るみに出た。
NHKは 4月にまとめた調査報告書で「過剰な演出と実際の取材とかけ離れた編集に問題があった」としたものの、事実の捏造につながる「やらせ」はなかった、と結論 づけた。
BPOの委員会は「事実とは著しく乖離した情報を数多く伝えて正確性に欠けており、スタッフ間の対話の欠如でチェック機能が働かなかった」と厳し く指摘した。
ただ、同じ内容の番組が、クロ現で放送される1カ月前に関西ローカルの「かんさい熱視線」で取り上げられていた。
ところが、NHKの委員会名称は「『クローズアップ現代』報道に関する調査委員会」と、「かんさい熱視線」は対象としないかのように決められていた。
全聾の作曲家ではなかったことが発覚した問題で、NHKが14年3月に発表したのは「佐村河内氏関連番組・調査報告書」だった。
最初に取り上げた番組は 12年11月の「情報LIVE ただイマ!」、最も反響が大きかったのは13年3月の「NHKスペシャル」だった。
また、93年にNHKが唯一やらせを認 めた事例であるNHKスペシャル「奥ヒマラヤ 禁断の王国・ムスタン」では「『ムスタン取材』緊急調査委員会」となっていた。
こうした例にならうなら、 「クローズアップ現代」ではなく「出家詐欺問題」の調査委員会になるのが妥当といえた。
調査委員会の名称について、昨年11月18日の定例会見で板野裕爾放送総局長は「とくに意図があるわけではない」と述べたが、クロ現を標的にした 狙いを感じた向きがあったのは確かだ。
あるNHK関係者は「委員会の名前については上層部の指示があった、と聞いている」と話している。
テレビ離れにより総世帯視聴率が落ち込むなか、NHKも視聴率ダウンに直面している。
4月からの新年度編成では視聴率の向上が大きな狙いだ。
その対策として考案されたのが、高齢者を中心に一定の視聴率をあげる午後7時からの「ニュース7」が終わる7時30分からの番組として、クロ現に代わり娯楽番組を並べ視聴者を逃さない作戦に出る。
新年度の放送番組時刻表案によると、月曜以降
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