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『医療ビジネスの闇 “病気産生”による経済支配の実態』
著者:崎谷博征
はじめに 現代医療の惨状から見えてくる真実
第1章 病気ビジネス
第2章 健康の産業化
第3章 洗脳される医師たち
第4章 惨事を利用する医療
第5章 食糧支配と人体汚染
第6章 産業がガンをつくる
おわりに 進化する脳―免疫系の功罪
(『医療ビジネスの闇』まえがき:ここから)
崎谷博征
はじめに 現代医療の惨状から見えてくる真実
今、WHO(世界保健機関)から「世界一」と評価されている日本の医療現場で、大変な混乱が起こっています。
まずは治療代の3割を負担する健康保険制度です。
なんと、その3割でさえも支払えない世帯が急増しているのです。
今まで大病の経験がない人でも、両親や祖父母が病に倒れ、入院したときに初めて医療、介護にお金がかかることを実感された方は多いのではないでしょうか。
治療代の3割を負担するだけでなく、今は入院中の給食代やオムツ代は別勘定です。
また、医療費をはじめとした社会保障削減によって、自立できない高齢者を抱えた家庭は自宅で面倒を見るしか選択肢がない状況に追い込まれています。
もとより、すでに20年にもなる経済不況で、自宅で介護できる余裕のある家庭はほとんどありません。
自分でなくとも、近親者が病気になってはじめて、そのような厳しい現実に突き当たります。
医療を提供する側も実は追い込まれています。
救急疾患などを治療する理息の中核病院を「急性期病院」と呼んでいます。
急性期病院では患者さんの入院期間が長くなればなるほど、病院の収入が逓減していくシステムになっています。
病院としてはなるべく早く退院させるか、次の「慢性期病院」に転院させたいという動機が働きます。
患者さんをどんどん回転させていかなければ、経営が成り立たないからです。
慢性期病院も、リハビリを主におこなう病院などでは、入院期間があらかじめ設定されています。
設定された期間を過ぎる患者さんを入院させていると、国からもらえる「診療報酬」を減らされるために、やはり回転をよくしていかなければならないのです。
病院の中心として働く医師たちは、短期間に診察、治療する数も増え、それに伴う書類作成などの雑用に追われて心身ともに病んでいます。
病院あたりの医療スタッフ数は基準値ぎりぎりでないと収益が上がらない構造になっているため、少ない人数で目まぐるしく入れ替わる患者さんの応対に追われる状況が深刻になっています。
そのような余裕のない空気は、もちろん入院している人にも伝わります。
私たちはこのような医療に、満足のいく治療を期待できないでしょう。
私が最近驚いたのは、認知症病棟を含む100床もある4階建てのとある老人保健施設のの実態でした。
なんと、夜勤の看護師ひとりだけで回していたのです。
老人保健施設といっても、以前は急性期病院で入院しているような重症の患者さんばかりです。
どの人も急に病態が悪化してもおかしくない状況なのに、どうやってひとりで管理できるのでしょうか。
認知症病棟では夜間に徘徊する人が多く、転倒なども日常的に起こっています。
まさに毎日が綱渡りなのです。
患者さん側から見ると、いくら重症でも短期間で次々と病院や介護施設を転々としなければなりません。
しかし、このような医療・介護制度はおそらくほとんどの方はご存知ないでしょう。
自分自身や親族の病気をきっかけに、はじめて現実に突き当たることになります。
医療を提供する側も期限が近付くと、状態にかかわらず退院させるか、どこかの介護施設に移すしかありません。
そのことがもとで、患者さんあるいはそのご家族と、病院や介護施設側とのトラブルが絶えません。
また一般的な開業医も毎日50人以上の患者さんの診療をしないと経営が成り立ちません。
営業時間で割るとひとりの診察にかけられる時間は数分になります。
数分でできる診療はおのずと決まってきます。
そのような診療に受診する側の満足が得られることはほとんどないでしょう。
これでも、日本の医療制度は効率が世界一と評価されているのです。
医療・介護スタッフも精神的、肉体的余裕をなくし、患者さん側も追い込まれている状況がますます深刻になっている……。
このままで日本の医療は、継続できるのでしょうか。
医師である私自身が首をかしげざるを得ません。
その一方で、日本の医療制度を決める厚生労働省、およびその上に立つ財務省は、医療費、介護費を削減していくことに血眼になっています。
それはおのずと国民負担を増やすことにつながります。
この姿は、まさに沈みゆく日本国家というボートから経済的、社会的弱者を次々と追い出すことで自分たちだけが助かろうと、官僚たちが必死で延命を図っているようにみえます。
医療・介護費の高騰だけに目を奪われていてはいけません。
私たちから消費税をはじめありとあらゆる税金を絞り取ることで、世界の財閥に地位を保全してもらおうという売国奴たちが、この国にも多数存在しています。
私たちの血税はこの売国奴たちを通して、世界の財閥たちが支配する多国籍企業、とくに医薬・農業コングロマリット(アグリスィーティカル)を潤すために、湯水のごとく遣われているのです。
これまでの問題提起は、じつはすべて「お金の問題」です。
医療・介護を含む社会保障にお金をもっと費やすか、あるいは根本的にお金のかからない社会、つまり世界の財閥たちの支配から自立した、官僚のいない社会に変えていくのかという選択が今、私たちに突きつけられているのです。
このような現在の医療の惨状は、現代の日本社会の縮図です。
この悪循環から抜け出すには、医療を見ているだけではダメです。
もっと大きな構造を俯瞰しないで、小手先の「対症療法」によっているだけでは、傷口がますます広がってしまうからです。
医学は「サイエンスの端くれ」といわれますが、そのサイエンスは独立した存在ではなく、時代に奔流されてきました。
これはコペルニクスが「地動説」を唱えてから、正式にローマ教皇庁が認めるまでに約450年もかかったことに象徴されています。
科学技術や学問的知識は、「純粋にそこにある」というものではありません。
これらを保持し、コントロールできる個人や集団が、自分たちの利益に合うように利用しているのです。
しかも、科学技術や学問的知識が他者の利益になることを妨害しながらです。
医学研究も同じく独立した善意の第三者ではなく、政治やそれをコントロールする人々の影響下にあります。
このことを包み隠さず明らかにしない限りは、医療にまつわる「お金の問題」を解決する端緒にも立てません。
医学や医療もキレイ事ではないのです。
まずは、そもそもなぜ医療にこれだけお金がかかるのか。
医療にまつわるお金がどのように流れているのか。
またその医療につぎ込まれた莫大なお金はどこに行くのか。
近代医学はどのように作られてきたのか。
このような現代医療にまつわる私たちの身近な「お金の問題」を端緒として、現代医療の大きな枠組みを理解していただくと同時に、現代社会の歪みを医療、医学というひとつの切り口を通して分かりやすく説明していきたいと思います。
その過程で「どうして私たちは病から逃れられないのか」という問題が解かれていきます。
さらに本書が、現代医療でさらに悪化している病や医薬品、ワクチンなどの副作用によって〝作られた病気〟「医原病」で苦しんでおられる方々の救いとなることを願ってやみません。
(『医療ビジネスの闇』まえがき:ここまで)