HSP/HSCの特性に、周囲の環境からの影響を強く受けるというのがあります。
みんながピリピリした雰囲気の場所だと、
自分は関係なくても一緒に緊張してしまうとか、
みんながのんびり和気あいあい、ほんわかした場所だと、
初めての場所なのにリラックスしてなじんでしまったり。
そんなの、誰でもみんなそうだと思いますけど、
ひといちばい強く影響を受けてしまうタイプがHSP/HSCです。
廊下を走るな!
静かにしろ!
早くしろ!
なんて怒鳴る先生がいるクラスだと、
自分は廊下を走らないし、静かにしてるし、先生に言われたことはすぐにきちんとやっている…のに、
先生の怒っている声が、様子が怖くて学校に行けなくなったりすることもあるくらいです。
良い環境も悪い環境も、ひといちばい敏感に享受し影響するのなら、
親は子どもの過ごす環境に、ひといちばい気を配りたいと思いますよね
と、いうことを考えていたのは、長男の育ってきた環境を振り返っていたので。
最重度知的障害を併せ持つ自閉症…
現代風に言うと、知的発達症と自閉スペクトラム症というやつです。
まぁどういわれようと、彼はサポートなしでは暮らせないし、
言いたいこと、伝えたいことは山ほどあるのになかなかわかってもらえず、
苦労しながら生きていることに変わりはありません。
長男は18才で、この春高校(養護学校高等部)を不登校ながら無事に卒業しました。
療育施設や保育園、デイサービス、小学校、中学校、高校と、
さまざまな場所に所属させていただき、大変お世話になりました。
この集団生活が、彼の生きる力のトレーニングになっていたことは間違いないと思います!
中でも、最初の保育園や小学校時代の伸びはすばらしかった!
もちろん、成長する時期ではあったし、
周囲の子もまだ幼かったし、
先生をはじめ周囲の子やその保護者の方が温かく見守ってくれていて、
それでいてなんでもやらせてもらえる環境にありました。
ご迷惑もたくさんかけたでしょうが、
本人がとにかく楽しそうに、毎日張り切って通っていたので、「なんでこんなに学校(保育園)が好きなんだろう?」と不思議だったくらいです
「自分の居場所」と思えたことが一番なんだろう、
彼の所属欲を満たしてもらえていたんだろう、
だから伸びたんだろう
と思っていました。
が、最近は、それだけじゃないかも、と思います。
周囲に「こうすべき」というお手本がある、
望ましい行動を示すモデルがある、
ということは、
その影響をより強く受けるタイプであったことも功を奏したのではないかなー?と。
長男は自閉スペクトラム症なので、空気を読むのが苦手とされています。
私もそう習ったので、そうなんだ、と思っていました。
が、どう考えても長男は空気を読んでるし、
場の空気とそぐわないと思ったら自重しようとするとか(すぐにはおさまらないことも多いですが)、
親の顔色なんて超見てます!
なんなら思考も読んでます!!(これはエスパーの域)
と、考えると、
中学から養護学校へ行くようになり、
ご飯を食べさせてもらってる子、
オムツを用意してもらってる子、
手をつないで歩いてもらってる子、
そういう友だちを見てうらやましいと思ったり、ごねたりするようになったのは必然だったのかなー。
ただ単に小学校までの仲間と離れてしまい、それが不満だったのかと思っていましたが、
自分の環境から受ける影響がひといちばい強いのなら、
その点にも親としては配慮して、先生や周囲の人に伝えることで、
本人がもっと過ごしやすくいられたのではないかなーと…
いまさら、ではありますが
これからの人には、ぜひ、「子どもが育つ環境」が「子どもに(強く)影響する」ということもお伝えしたいなと思います。
学力だけじゃなく…ね