【木村義雄のちょっとひと言・第24号】

コロナ禍後の最大課題はインフレと雇用労働問題だ〜現実に即した労働基準法の見直しを〜

 

皆さまこんにちは、

木村義雄です。

 

コロナ禍は私たちの働き方に変革をもたらすと共に

国民のお金事情にも多大なる影響を与えました。

 

近い将来、コロナの終息が見え始めた時に

真っ先に問題として浮かんでくるのが、

雇用労働問題です。

企業といっても大企業から中小企業まで種々ある中、

一律の法律が適用されたとしても、

等しく機能するものでしょうか?

 

今回のメルマガは、

そんな雇用労働問題について

私の見解と意見をお伝えしたいと思います。

 

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じわじわと迫る物価の上昇と

労働問題の密接な関係とは

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コロナ禍により感染者が続出し

サプライチェーンの停滞など経済の

あらゆる分野において計り知れない影響が出ています。

特に最近の物価の上昇は目に余るものがあります。

円安による輸入物価やガソリン価格の上昇に加え

小麦の高騰による食料品等様々な値上がりが顕著です。

 

国内での統計数字では企業物価が上がっても

消費者物価は変化が少ないように

見受けられますが、生活実感とは

あまりにもかけ離れています。

食事に行っても値上がりはもちろん、

値段は据置かれていても

分量が減っているのを実感することがあります。 

 

欧米では消費者物価も高騰し続け、

ついに中央銀行が金融緩和を終結させて

金利の上昇に舵を切りました。

このまま物価が上昇していくのであれば

生活維持のための「賃上げ」が必要になってきます。

わが国でも「賃上げ要求」は本来なら

労働組合のお家芸であるのに、

政府が今回ほど度々「賃上げ」に

言及するのは前代未聞です。

裏を返せばこれからは深刻なインフレや、

雇用や賃金などの労働問題が

日本の経済に大きく影響すると

考えられるからです。 

 

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新しい労働基準法の改正

残業時間規制の問題が浮き彫りに

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令和に入り労働基準法が改正されました。

 

■当初案では労働側代表である連合が

    罰則(最高刑は半年間の懲役)付き残業時間規制と

    同一労働同一賃金との2案を提言、

 

■一方経営者側代表である経団連は

高プロ制

(高度プロフェショナル=年収1075万円以上の

人は残業時間をカウントしない)と

裁量労働制

(働く時間を労働者本人が決められる、

よって残業の概念が無い)

の2案を提案しお互いに妥協しました。

 

ところが国会審議が始まると

大変な問題が発生しました。

 

厚生労働省の提出法案説明の中で

裁量労働の方が一般労働よりも残業時間が

短いという誤った資料を提出してしまいました。

国会は大紛糾、その結果法案は廃案寸前にまで至りました。

その時政権は働き方内閣・働き方国会で

この法案は絶対通すために何でもいいから野党と

妥協しろということになりました。

 

そのため経営者側にとっては一番魅力的な

残業時間を気にしなくて良い裁量労働制を

全面的に削除することになったのです。

 

それぞれ2対2でバランスをとっていた法案が

2:1の片肺飛行になったのです。

労働団体側は大喜びです。

 

経営者団体側は大企業の中心の意思決定で

妥協してしまいました。

残業時間を厳しく制限すれば

深刻な人手不足を生じさせます。

決定の場に、大企業に比べ

日常的に人手不足で困っていた

中小零細企業の思いが反映されなかった事は

大変残念なことでした。

 

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労働者に等しく正しい

柔軟な選択肢を講じるべき

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ただ法案施行後は人手不足が顕著になることが

予想されたのですが、たまたまコロナが蔓延し

現在まではこの新しい労働基準法施行の

影響がそれほど現れていません。

 

しかし今後コロナ禍が収束し経済が回復すれば、

この新労働基準法の厳しい残業規制の影響が

大きくなってくるのは目に見えていると思われます。

 

わが国の現状ではコロナ禍の影響によって

エッセンシャルワーカーが極端に不足している

一方で、大企業は希望退職者の募集など

大幅な人員整理をしており、雇用のミスマッチは

今現在深刻な状態となっています。

 

また正規・非正規の雇用格差/賃金格差の

是正などは喫緊の課題です。

 

まず取り組まなければいけない事は、

この30年間のデフレの原因であり、

これによって日本人の働く場の減少と

サプライチェーンの不安定化を招いた

産業の空洞化を是正するために、

まず生産拠点をできるだけ日本国内に

取り戻す必要があると考えます。

 

次に、低賃金に苦しむ不安定な

非正規雇用者に対しては、国も積極的に

企業や個人を支援し待遇格差の解消に努め、

しっかりと就業継続を図り、

短時間正規労働者等の雇用の選択肢を

柔軟に増やしていくなどの策を

講じなければなりません。

 

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企業のニーズ、労働者のニーズを理解し

老若男女が元気に働ける社会へ

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また、日本の統計では労働生産年齢は

15歳から64歳となっていますが、

実際15歳から17歳は高校生であり、

欧米と違って中卒者が活用されていません。

中卒者に対しては充分なる所得保障と

将来のリカレント教育を制度化して

労働生産年齢の仲間に入ってもらい、

また65歳以上の人たちにも

まだまだ元気で働いて活躍してもらい、

人手不足を少しでも解消する

必要があると思われます。

 

そして、できるだけ早く現在の

新労働基準法の改正に取り組み、

同法の片肺飛行を是正し、例えば、

・子供の学費のため

・住宅ローン返済のため

など、将来の貯金や返済のために

残業してでも稼ぎたいと思っている人が、

働きたくても働けないような状況を

解消していくことが必要と考えます。

 

現在、木村義雄公式YouTubeでは、

田原総一朗さん、石破茂さんとの対談動画をアップしております。

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