皆さまこんにちは、
木村義雄です。
今回のメルマガは、
急速に普及しているキャッシュレス決済など、
デジタル化が進み利便性が良くなった反面、
その裏側で起こっている問題点や注意すべき点を、
私なりの見解と意見をお伝えいたします。
■■■■■■■■■■■■■■■
デジタル社会がもたらす利便性と
その裏にある問題点
■■■■■■■■■■■■■■■
毎日がコロナ禍の報道ばかりですが
この影に隠れて多くの問題点を抱えているのが
新テクノロジーの課題です。
ランダムに挙げると
・ホワイトカラーが人工知能に職を奪われている話
・東証のシステムダウンにより株式全銘柄の取引が終日停止
・みずほ銀行のシステムダウンによるキャッシュカードや通帳が返ってこなかった話
・デジタル化法案の誤記載の修正が数十カ所あった話
・給付金10万円を配布するのにマイナンバーカードよりも手作業の方が早かった話
・マイナンバーカードと健康保険証との連携に不具合が生じ本格導入を延期した話
・システムの下請け等を中国企業に委託し情報を漏洩させていた話
などなど、枚挙に暇がありません。
また、 このコロナ禍に乗じて
米国の主要IT企業GAFA(※)
※注
G=Google
A=Amazon
F=Facebook
A=Apple
など、巨大IT企業が情報と富を独占し
国家を勝る勢いになっていることなども
問題ではないでしょうか。
■■■■■■■■■■■■■■■
不完全ながらも進むデジタル化
過ちが起こらぬよう慎重にするべき
■■■■■■■■■■■■■■■
しかし、この流れは我国においても
国策として積極的に進めようとしています。
国家や巨大企業が国民の個人情報を
集積してそれを活用する。
その結果、国や巨大企業による中国と
同じような監視社会になるのではないか
との危惧が最近の話題となっています。
すべてをデジタルにすることや
拙速な行政のデジタル化が
国民にとって本当に便利で必要なことか 、
却って恐怖を与えているのではないか、
よく考えてみるべきです。
現状、日本ではキャッシュレス化が
かなり進行してきていますが、
そもそもこのキャッシュレスは
中国で目覚ましく発展しました。
その理由は、中国は広大な国土ゆえ
偽札も多数横行し、その偽札を防止するために
現金のデジタル化が進行した事でした。
日本のように紙幣に信頼がある国は
強引にキャッシュレス社会に変更する
必要は中国ほどにはありません。
■■■■■■■■■■■■■■■
利便性の裏側にあるお金の問題
使う側にもリテラシーが必要
■■■■■■■■■■■■■■■
一方、クレジットカードを扱うお店の方は
クレジット会社に3%〜7%程度の手数料を払い、
現金化にはおよそ2ヶ月程度かかるので
相当の負担になっています。
使う側は現金を持ち歩かなくて良い
という便利さはありますが、
うっかりリボ払いにすると
15%の手数料が掛かります。
キャッシュレス化が進み、現金の使用が激減すると
仮に大規模災害などが起こった際に、
停電等でATMが稼働しなかったり
クレジットカードが使えない場合に
飲まず食わずになってしまいます。
こういう非常時への備えが
なかなか充分でないのが現状です。
阪神大震災の時に路上での焼き芋屋が
芋1本3000円の高値で売り歩きましたが
カードが使えず現金取引のみなので
多数の人が買いたくてもお金の持ちあわせがなく
指をくわえていたとの話がありましたが、
いざという時のために必ずいくばくかの
現金は自宅や手元に置いておくことは必須です。
■■■■■■■■■■■■■■■
デジタル社会の普及には双方の
歩み寄りや思いやりが重要
■■■■■■■■■■■■■■■
みずほ銀行の話ですが、2002年の
3銀行(富士、第一勧銀、興銀)合併直後に
大規模システム障害があり 、
さらに2011年の震災時にもまた大規模障害を起こし、
それらを根本的に解決するために
18年もかけて新システムを完成させました。
やっと完成したと思いきや、
今回の立て続けに4度にわたる
システム障害を起こしました。
この原因は合併旧3銀行の確執による
企業統治(ガバナンス)の欠如と、
それぞれのシステム供給元である
日立・富士通・日本IBMによる
請負ベンダー企業の主導権争いで
コンピューターシステム統合に混乱を生じさせ、
結局長い年月かけても解消に至りませんでした。
まさに泥沼状態といっても過言ではありません。
そもそもデジタル化は本質的に
長年培ってきた事務処理や諸手続きに合わせて
システムを新しく組もうとすると、
なかなか思うようにいきません。
新しいシステム自体に既存の事務処理や諸手続を
合わせるという真逆の発想でなければ
上手くはいかないのです。
これがDX(デジタルトランスフォーメーション)
の本質です。
■■■■■■■■■■■■■■■
最善のバックアップ体制がなければ
デジタル社会は安全とは言えない
■■■■■■■■■■■■■■■
いずれにしてもデジタル化社会の進行は
便利な面もあればいざ災害や様々な問題が
発生したときに直ちに現場復帰が難しく
回復のために相当な時間を要し
国民生活に多大な不安をもたらします。
すなわちどんな時でもいざ障害という場合には
ただちにアナログに転換できるなどの
バックアップ体制とパソコンのOSのように
絶え間なくシステムバージョンアップを
繰り返すなど不断の作業が欠かせません。
■■■■■■■■■■■■■■■
使える者だけが得するのではなく
誰もが使える優しいデジタル化を
■■■■■■■■■■■■■■■
デジタル化が国民にとって本当に
必要なものとなるには、
・使い勝手が良く
・安全で安心して使える
・誰もが簡単・平等に使える仕組み
が必須と、私は考えています。
特に、スマートフォンやPCなどの
知識にあまり明るくない高齢者にも
優しいデジタル化でなければ
ならないということです。
やみくもに突き進むのでなく、
今一度立ち止まってしっかりと
整理することが必要と思われます。
--------------------------------
木村義雄メールマガジン
「木村義雄のちょっとひと言」
発行:木村義雄事務所
木村義雄ホームページ:
https://kimuyoshi.net
Facebook:
https://www.facebook.com/kimurayoshionet/
Twitter:
https://twitter.com/kimurayoshio_
Instagram
https://www.instagram.com/yoshio_kimura_/
当メールマガジンへのお問い合わせは、
HPのお問い合わせより
ご連絡いただけますと幸いです。
当メルマガのバックナンバーは、
下記URLよりご覧いただけます。
https://submitmail.jp/FrontBacknumbers/index/5675
メールマガジン解除を
ご希望の方はこちら
https://submitmail.jp/FrontReaders/mail_edit/5675/1
---------------------------------