皆さまこんにちは、
木村義雄です。

今回のメルマガは、
新大統領が誕生しつつある米国と、
切っても切れない今後の日米の政治について、
私なりの見解と意見をお伝えいたします。

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バイデン氏の勝利が濃厚な大統領選
トランプ氏の抵抗は如何に
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11月3日の米国の大統領選挙は、
世論調査によるバイデン氏圧勝を覆し
予想外の僅差での大激戦でした。

もしコロナ禍がなければ、
問題になっている郵便投票も
それほど多くなくトランプ氏が
勝利したかもしれません。
メディアは圧倒的にバイデン氏支持でしたし、
その宣伝効果もあり勝ち馬に乗ろうと
米国の金融資本やIT産業は
積極的にバイデン候補に献金し、
選挙資金では圧倒的にバイデン氏が優位でした。
(10月下旬までの両候補への献金額は
バイデン氏日本円で1200億円、
一方のトランプ氏は800億円)。

諦めきれないトランプ氏の徹底抗戦は
どこまで続くのでしょうか。
あわよくば、訴訟で全体投票の決着がつかない時の
連邦下院での州単位の投票
(この場合は共和党にとって有利)
に持ち込みたい狙いがあると思われます。

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密接な関係を持つ日米の政治
政権交代がどんな影響を及ぼすか
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今回の大統領選挙は昔であれば南北戦争
(奴隷解放を称える共和党リンカーン大統領の
当選に反発した南部の諸州が合衆国から脱退し
内戦に発展したもの)
の様相を呈しているとも言われています。
マスコミでは『分断』と報道されていますが、
今の米国の事態は『内戦』手前と言っても
過言ではありません。
米国は建国以来、文字通り各州がそれぞれ独立国の合衆国です。
全米を1本にまとめるという事は至難の業です。
新政権の船出は多難な前途です。

ところで、社会主義的な大きな政府を
是とする米国民主党と個人や企業の自由を
重んじる小さな政府を是とする米国共和党では
政権交代の度に全く別の国家になってしまいます。

一例をあげれば米国国務省や米国財務省など
すべての官庁の何千人と言う幹部が
総入れ替えになります
(ポリティカルアポインティと言います)。
すなわち民主党政権の米国か
共和党政権の米国かによって
全く別の国家として私たちは
理解する必要があります。

歴史をたどれば太平洋戦争は
民主党政権の米国と日本との戦いでした。
時の米国大統領ルーズベルトは
欧州大戦で苦戦をしている同胞英国を助けるため
対独戦争に少しでも早く踏み切りたかったのですが、
欧州の紛争には介入しない、
米国自体が攻撃されない限り参戦しない
というモンロー主義原則の下、
イタリア人・ドイツ人などを含む様々な
移民から成り立つ米国の世論をまとめきれませんでした。

そこでドイツと三国軍事同盟を結んでいる
日本を対米戦争に巻き込むために
経済封鎖や石油禁輸で日本を追い詰め、
米国本土(この場合はハワイ真珠湾)を
日本に直接攻撃させる事を画策し、
日本を対米参戦させることによって
米国がドイツとの戦いに踏み切るという
謀略に日本が嵌められたのだと
最近の歴史家は述べています。

そしてあの原子爆弾投下も
民主党トルーマン政権の決断でした。
また民主党政権の米国は太平洋戦争に至る
日中戦争でも中国を支援し、後の朝鮮戦争でも
中国を原子爆弾投下によって直接叩こうとした
国連軍最高司令官マッカーサー元帥を
解任したぐらい中国贔屓です。

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米国の政治に影響されない
日本の政治基盤の構築を目指せ
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ところで、近年の日本の政治は1年毎に
総理が変わる日替わりメニューのようだ
と言われていましたが、
その中での自民党の長期政権は多くが
米国共和党政権の時です。

すなわち
・中曽根-レーガン
・小泉-ブッシュ
・安倍-トランプ
です。

まったくの偶然とは言い切れません。
もっと深刻な事は、わが国の近年、
ここ2回の政権交代(自民党から野党へ)は
米国の政権交代(共和党から民主党へ)と
シンクロしているということです。

すなわち、
・平成5年1月民主党クリントン政権の誕生と同年8月細川政権の誕生
・平成21年1月民主党オバマ政権の誕生と同年9月鳩山政権誕生です。

令和3年1月米国の民主党新政権が誕生すると、
わが国では同年中に必ず総選挙があるので、
この奇妙な『二度あることは三度ある』の
ジンクスを断固破らないといけません。
上記2回の野党政権時代にどれほど日本が
暗黒の時を過ごしたか、将来に不安を持ったか
計り知れないものがありました。
もうその徹を再び踏むわけにはいきません

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新政権誕生後の米国の外交にも
しっかりと注視を
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もう一つ気になるのは米国の対中国政策が
大きく変化する可能性あるということです。
トランプ政権は中国に対して
ファーウェイ問題を始めとして
大変厳しい態度で臨みました。
しかし、バイデン政権はどうでしょうか。
かつての民主党クリントン政権下で見られた、
東アジア政策において日本を無視して
中国とばかり交渉する『日本パッシング』の悪夢が
再びやってこないように祈るばかりです。

メディアは「そんなことにはならないだろう」と
楽観的な見解ですが油断はできません。
実はバイデン氏の巨額な選挙資金も
相当な部分がチャイナマネーの可能性がありますし、
これから任命されるであろうと予想される
米国民主党政権の閣僚級スタッフは
その多くが中国と非常に緊密な関係にある
人々とのことです。
さらに環境政策の大転換も問題です。
菅政権もバイデン氏が当選しそうだということで
慌てて地球温暖化対策として
『2050年温暖化ガス実質ゼロ』を政策に掲げましたが、
まだまだ石炭や石油から抜け出せない
日本のエネルギー関連企業にとっては大打撃なりますし、
お家芸の自動車産業もガソリン車から
電気自動車へ急にアクセルを踏まざるを得ず、
石油産業への影響も計り知れないものがあると思われます。
この環境政策も米中接近の
大きなきっかけになるとの観測がもっぱらです。

いずれにしましてもバイデン政権に対し
手放しで喜べないところもあり、
日米関係を含め日本外交と日本経済は
米国と中国との関係が今後どのように変化していくかに
最大の関心を払わなければいけないと思われます。

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