AppBankと上場実務 | 上場会社の元取締役兼詐欺師「木村氏」の告白

上場会社の元取締役兼詐欺師「木村氏」の告白

マザーズの上場会社であるAppBank社から、上場準備中に約1億5000千万の大金と騙し取ってしまった「木村氏」の反省と後悔のブログです。

AppBankだけではなく、一般的に上場準備の業務は膨大な量を極める。

 

その業務量は、「上場実務を一回経験したらもう二度とやりたくない」と言う人がいる程である。

その上場実務を担当するのは、たいてい管理部や上場準備室といった部署になり、本来であれば上場準備は2~3年かけてじっくりと「公器の会社」へと仕上げていくのが理想である。

 

その上場実務は、管理部や上場準備室の中でも、特に財務・経理と経営企画、内部監査室の業務を担っている社員に大きな業務負担が、通常の業務にプラスアルファで乗っかっている。

また、人事総務系の業務を担っている社員は、昨今の影響で、労働時間(就労時間管理や残業代未払い)や36協定関係。、社内規程の運用、反社対応等々が一段と厳しく、主幹事証券会社から指示、指摘を受ける。

 

今回のAppBankの上場準備は、私がAppBankにプロパーで入社した2013年7月以降の2013年度中は、監査法人との打ち合わせや期首残高監査等はあったにせよ、社内の実務側としては、本格的なスタートではなかった。

本格的な上場準備スタートは、2013年12月期の決算を初めて連結で組むという事が、それに該当すると思う。

つまり2014年1月である。

そこから、上場承認が2015年9月8日という事は、東証の審査は2015年7月か8月には始まっているので、その時点ではほぼ「上場実務」としては完了しているはずである。

つまり、上場準備期間は、2014年1月~2015年7月か8月、約1年半となり、かなり短い期間で上場実務を終えている。

このように上場期間が短かったのは、そもそも上場ターゲットが2015年に置かれていて、M氏も「(上場は)最短でいく」と言っていた事が理由です。

これを実現出来たのは、AppBankの私を含めた上場実務メンバーが全員優秀だたからではなく、全員「過剰労働」であったと言える。

 

実際、上場準備を1年半で出来なくはないのだが、短期間で事を進めてしまうと、やはり会社の中にどこか歪みがでる。

今回、特に「労働」という点でシワ寄せが行ってしまったのは、私とK氏だった。

K氏には本当に申し訳ない事をしてしまった。

入社間もないK氏に、とりあえず会社全体のビジネスモデル等を理解してもらった後、徐々に中期経営計画の作成を手伝ってもらうことにした。

私はK氏とだんだん自分の仕事をシェアするようになり(私も仕事がパンパンだった為)、そのうち、2人共仕事やパンパンになり、2014年12月前後の3~4ヶ月くらい朝4時や朝5時まで(時には7時)まで働く日が多くなっていき、ついに私は2015年1月中旬、勤務中(ランチ中)に倒れ、救急車で運ばれました。私は、その後、倒れた病名(原因)が、「てんかん」と知りショックを受けましたが、もう一生治らない病気なので考えても仕方ないと思い、あきらめました。

その後、行基とは関係のない理由で、私は2015年4月にAppBankを退社し、退社した後に、K氏がうつ病になったと聞いた時もショックを受けました。

 

今、ニュース等でも報じられているよに電通の売上至上主義のようや過剰な働き方が問題視されています。

しかし、それは、今回の電通に始まったことではなく、過去にも某居酒屋チェーン店、某牛丼チェーン店など、過剰労働サービス残業を原因とした発病、または自殺は報道されていました。

しかし、これらに注目が集まり報道されるのは「死者」が出てからです。

マスメディアは「死者」が出た事がニュースバリューであり、それがないと、過剰労働やサービス残業は「よくある話」のレベルで相手にもしません。

私たちが担っている「上場実務」の中でも、このように過剰労働があり、それを原因に発病している現場に注目してください。

 

私は、上場準備における「企業側の都合による上場のタイミング」が影響を起こす、このような過酷な労働環境の見直しと、上場実務全般について書籍化するつもりです。

 

また、このような件についての東証や主幹事等の責任や役割について、今後書きたいと思います。

 

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