サッカー審判TIPS(789) PK戦のショットクロック採用? | サッカー審判KenKenのブログ

サッカー審判KenKenのブログ

サッカー3級審判KenKenの審判経験記

第103回高校サッカー選手権の決勝戦。

前橋育英高校vs流通経済大柏高校

 

両校ともそれぞれの良さを出し尽くして戦い、フェアな110分の試合を堪能した。

もうこうなったら両校優勝でいいんじゃないか、と観客の多くが思いながら(もちろん両校の関係者は自分達の優勝を望んでいだろうが)PK戦を見守った。

私はたまたま現地国立競技場で観戦していたのでPK戦の緊迫した雰囲気、主審が笛を吹いてからキッカーが蹴るまでの静寂。58,000人を超える観衆が完全に声を潜めて息を呑んで見守るという雰囲気には身震いがした。

テニスのサーブ時に「Quiet please」と主審がアナウンスし、コートがシーンとするが、それが5万人規模で行われるのだ。

生で味わえる幸運。

 

しかし、優勝決定がPK戦になり、そのPK戦が5人で決着せず、そのせいでテレビ中継が途中で終了することになってしまい大きな物議を醸したのを後ほど知った。

相撲の立ち合いでは制限時間があり、野球ではピッチクロック、ラグビーでもショットクロックなどが導入されている。

 

PK戦でショットクロックが導入される可能性はあるのだろうか。

例えば前のキックが終わってから1分以内にキックすること、とか。その場合計時するのは第4の審判か?

1分経ったら第4の審判がベルをチーンと鳴らすとか。

ベルが鳴ったら10秒以内に助走に入るべし、など。

 

興行を優先し、テレビ放映権を重視して独自路線を歩むアメリカのMLSあたりで導入するかもしれない。

 

個人的には時間をかけて行われるGKとキッカーとの駆け引きは面白い。たとえキッククロック(仮称)が導入されても5人で終わるとは限らない。今回のように10人もキックが行われるようなケースでは解決にならない。

 

そんなことを考えてみる機会になる出来事だった。

 

※試合は、前へのロングボールを多用しながらも流経の亀田や前橋の白井など、ドリブルで観衆を沸かせるタレントがアクセントとなり見ていてまったく目が離せない好ゲームだった。

優勝した前橋育英おめでとう。準優勝の流経も紙一重の差。本当に両校優勝させたかった。