サッカー審判TIPS(748) GKがPAライン外で手を使う件
ライン上にあるボールを手で扱う件に関して考察を続けてきた。 ではこんなケースはどうだろう。
(★)シュートが守備側競技者に当たってゴールライン(枠内ではなく)を割ろうとして転がっているとする。これにGKが飛びついてタッチラインまで手ではたき出そうとした。(CKになるのを避けてスローインにするため、またはタッチライン方向にいる味方に渡すため)この時ボールがゴールラインから半分ほど外に出ていた。
(a)GKがボールに触れたのがPA内側のゴールライン外
(ゴールポストから16.5mまでのゴールライン上のボール)
(b)GKがボールに触れたのがPA外側のゴールライン外
(ゴールポストから16.5m以上離れたゴールライン上)
(a)の場合は、GKが(PA内にあるインプレー状態の)ボールにピッチ外から触れることとなる。PAライン上にあるボールにピッチ内のPA外から触れるのとは違い、接点はピッチ外、ハンドの判定の判断となる場所ではないので問題ないと思う。
では(b)の場合はどうか。
ボールと手の接点が問題になるのであれば、この場合接点はピッチ外。
ピッチ外とは言え「インプレー」状態のボールに手で触れたからハンドの反則でライン上から直接FKで良いと思う。ただ手とボールの接点はピッチ外だから数センチの誤差はあるけどね。
フィールドプレーヤーが明らかにタッチラインを割ろうとしているボールを、まだ完全にピッチから出ていないのに手で拾ってクイックスローインをしようとしたらハンドリングとなる。
(私は副審をしていたときにこの事象に遭遇したことがある。もちろん旗を上げてハンドを報告した)
インプレー状態のボールにラインの上だろうが外だろうが手で触れたらハンドリングの反則だ。
話を戻す。ここで疑問に思うのは、先日(ブログNo.746)のPAライン上でのケースはボールがPA内にある(と見なされる)のに「PA外の手」と「ボールのPA外部分」との「接点」が問題になった。ボールがPA内にあると判断されるのか外と判断されるのかは問題となっていない。しかしゴールライン上の場合はボールの状態(ピッチ内にあるという判断)が優先されており接点の位置(ピッチの内・外)は関係ない。
ということで整理してみる。
ゴールライン上にあるボールにGKが手を使って
①PA内のゴールライン外で触れる
→セーフ
②PA外のゴールライン外で触れる
→ハンド (接点がピッチ外であってもインプレーなので)
③PA外のゴールライン内(ライン上を含む)で触れる
→ハンド
(参考)PAライン上のボール(ピッチ内)にライン外で触れる
→ハンド(接点がPA外なので)