サッカー審判TIPS(686) フラッグアップ その2 | サッカー審判KenKenのブログ

サッカー審判KenKenのブログ

サッカー3級審判KenKenの審判経験記

サッカー審判TIPS(686)
フラッグアップ その2

先週の話、少年団の県大会でチームの帯同コーチ仲間が副審を担当している試合を観戦していたときのこと。
トップ下の選手から右FWにボールが出た。
ように見えた。(私はボールを出した瞬間を見ていなかった)

ボールはDFの選手に当たってオフサイドポジションの右FW選手に渡った。
副審を担当していた彼は旗を上げてオフサイドを示した。
FWの選手は一瞬プレーをストップ」(当然だ)。
守備側の選手たちもプレーを止めた。
しかし主審はオフサイドを採用しないジェスチャー。

FWの選手はドリブルでゴールに迫る。
DFもあわててゴール前に戻るがシュートが入って得点となった。

オフサイドポジションにいる選手にDFがクリアに失敗したボールがわたった場合はオフサイドを取らないことに
なっているが、今回のケースはどうだったのか。
試合が終わって戻ってきた彼に話を聞くと、ハーフタイムに主審と話をしたが、クリアだったと判断してキャンセル
にしたとのこと。
しかし、パスのコースやFWがトラップしたボールの質を思い出すと、クリアボールが渡ったとは考えにくい。

主審の判定が最終なので、副審がいくら「オフサイド」と主張しても判定は覆らない。
いったん旗を降ろして再度上げてオフサイドをアピールするという手もあるが、争点は主審に近いこと、主審と
副審の判定が食い違うことは好ましくないこと、などを考えて、「クリアなのかただ当たったのか」という審判の
主観が入る余地がある判定は事前の打ち合わせにもよるが主審に合わせるべきだと思う。

オフサイドのキャンセルが得点結びついてしまったのは気の毒だが、副審としては旗を上げざるを得ないこと、
主審がキャンセルの指示をしていること、笛が吹かれるまでプレーを続けること、いろいろな条件を考えると
判定を素早く理解しドリブルを再開したFW君が良いプレーをしたということだ。