サッカー審判TIPS(641)
間違えやすい再開方法
このネタでは以前にも何度か書いたかもしれない。
一昨日の自分たちの試合の後審判のときのこと。私はA1で、チームメイトがRを務めた。
遠い側のゴール前。GKがボールをキャッチした際に相手側競技者と接触。
相手側の選手はその場にうずくまってしまった。
周りからは「待て」とか「止めろ」、「出せ」とさまざまな声がかかる。
これはプレーを止めたほうが良いと判断した主審は笛を吹いて試合を中断。
(このときGKはボールをタッチラインに蹴りだそうとしていたのでそれを待ってもよかった)
負傷の状況を確認して、さあプレー再開。
ボールは中断の間ずっとGKが保持したままだった。なんと、プレー再開の笛のあとパントキックで試合が再開された。ピッチ上にいた両チームの競技者からは何も不満や指摘の声は聞こえなかった。
ボールがアウトオブプレーになっていない場面でプレーを止めた場合はドロップボールで再開される。
本来ドロップボールは両チームの競技者の間にボールを落として再開させるのだが、今回のような場合攻撃側の選手が倒れていたため一時中断となったのだから、そしてしかもGKがボールを持ったところで中断しているのだから、攻撃側はいったん引いて、ドロップボールに積極的に参加せずに再開を待つだろう。
(もちろんドロップボールに参加してボールを奪って攻撃しようとすることはルール違反ではない。)
だから主審としては、「ドロップボールで再開します」と宣言し笛を吹いてGKの面前にポトリとボールを落としてやってほしかった。これを行なう時は攻撃側の選手が寄ってくるのを待ったりしない方がよいと思う。まあ寄ってこないとは思うが試合の進行状況によっては変わってくるかもしれない。(残り時間が短く、どうしても点がほしいとか)
もうひとつのオプションとしては、攻撃側の選手の目の前にボールをドロップしてやり、それを守備側に返す(パスさせるとか、タッチラインやゴールラインに蹴り出させて守備側のスローインやゴールキックで再開させる)という手もあるし、普通はそういう対応をすると思うが、GKに渡したパスがゴールインしたり、ゴールラインを割るように蹴ったボールを取りに行くという面倒くさいことにならないようにしたい。
(ということで私は、攻撃側が近くにいないときを見計らってGKの目の前でドロップボールで再開する)
いずれにしても私の背中側にいる本部連中も「違うぞ」「オイオイ」とうるさいことしきり。