サッカー審判TIPS(637)
オレンジカード?
新聞にも紹介されたので、オレンジカードと聞いてもJRのプリペイドカードのことを創造する人はいないだろう。
IFAB(国際サッカー評議会)がオレンジカードの導入を検討するそうだ。
これはイエローカードとレッドカードの中間に位置するもので、一時的に退場させるという意味を持つものだそうだ。
もともとアメリカンフットボールでは存在していたルールだそうだ。
最近ではラグビーでもシンビン(Sin Bin)として10分間の退場のルールがある。
これがサッカーに適用されたら、警告と退場の間に中間の懲戒罰を設けるというもので、警告とするには軽すぎるが退場とするには気の毒というような反則に対して適用されるのだろう。
これは主審の判断がたいへん。
繰り返し違反により警告を与えるという懲戒罰は現在でも存在するが、オレンジカードが導入されたらどう区別するのだろうか。
繰り返し違反で警告を与えた競技者が次に違反したときに、もう一度警告すると退場させなければならないから、オレンジカードで代用する?
もしこれが導入されたら、主審の裁量の幅がかなり大きくなる。今でさえ警告か退場かで議論が分かれるのに、警告か退場か、あるいは中間のシンビンでよかったのでは、などと議論の対象になる。
そして10分間の退場をどう管理するのか。主審が複数の一時退場者を記録して一時退場が解けるタイミングを見計らうのか、あるいは第4の審判が管理してアウトオブプレーになったときにピッチに入れるのか。
オフサイドを廃止するという案も含めてサッカーがアメフトに近づいていくのは個人的には反対だ。
経緯を見守りたい。