サッカー審判TIPS(611) 苦い経験と予防策 | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(611)

苦い経験と予防策

先日の4種の大会。
キックオフしばらくして、一方のチーム(Away)はちょっと荒っぽいなと感じた。
手が出る、後ろから押す。
少し厳し目にファウルを取り、相手のドリブルについて行こうとして手を出す選手に「○番!手を使わない!」と怒鳴る。

前半、大柄なFWの選手が相手競技者の背後からプッシング。
ファウルを取った後、「今のは後ろから押しているので危険だよ!次にやったら警告するよ」と注意を与える。
その選手は前半おとなしかった。

そのチームのDFの選手。タックルの際に相手を倒したのでファウルを取る。するとクイックスタートしようとした相手の前に足を出してボールに触れた。
最初の警告。

前半終了近くにはそのチームのキャプテンが前線から守備。相手競技者がペナルティエリア内からドリブルをしているところに斜め後ろからスライディング。
危険なタックルとして警告。

Homeチームのキャプテンだけがアツくなって、相手に文句を言ったり味方に強い口調で指示をしたり。

後半、Awayチームの大柄FWにボールが渡った。
ボールをキープしようとしながら、相手ペナルティエリアに入ったあたりで左手でDFを突き飛ばす。
前半に約束した通り、すぐさまイエローカードを示す。
ブッキングしながらふとDFを見たら、腕を押さえて起き上がれない。すぐにベンチからコーチを呼び、外に出す。
Homeチームのアツいキャプテン、「カード、カード」と私に向かって叫ぶ。警告したのを見ていないのか。あまりにしつこいのでこちらにも警告。

合計4枚のイエローカード。
試合が荒れないよう、ファウルを犯した選手に「次回は警告」(繰り返し違反)、と釘を刺したり、手を使って止めようとするのを声を出して牽制したり、と手を尽くした。
だから、4種なのに警告が多発しても、それは可能な限りコントロールした後であり、外から見ていても納得の処置で、やむを得ないカードだったと思う。

残念なことは、倒れたDFの選手は腕を骨折し救急車出動となったこと。


突き飛ばした行為は「ラフプレー」の範囲であり、「乱暴な行為」として退場にするほどのプレーではなかった。相手に怪我をさせたからといって試合後に警告から退場にするわけにはいかない。

ファウルを繰り返さないよう予防策を講じたつもりだったがアクシデントを防げなかったのが残念。