サッカー審判TIPS(459)
旗が上がってるぞー
未だにルールをちゃんと理解していない選手がいる。
特に昔のルールからアップデートされていないオジサン選手に多い。
先日のシニアリーグでのこと。
ハーフウェーラインの後方から右サイドバックにより前線にロングボールがフィードされた。
オフサイドポジションにいた攻撃側の選手がボールに寄ろうとした。
そこで副審の旗がバサッと豪快な音を立てて上がった。
しかしフォワードにボールが渡る前に守備側の左サイドバックの選手がヘディングでクリア。
すると守備側の複数の選手から「オフサイド!」の声。
それだけならまだしも、「旗上がってるぞー」「笛吹けよー」の声まで。
この跳ね返したクリアボールが攻撃側に渡ってしまったからなおさらだ。
だがKenKenは笛を吹かず、副審に旗を降ろすよう合図してプレーを続行した。
オフサイドポジションにいるだけでは反則ではない。
そこにいることによってプレーや相手選手に干渉したとか利益を得た場合にオフサイドで罰せられる。
今回の場合、攻撃側の選手は守備側の選手の背後にいたため守備側のサイドバックのプレーに干渉してはいない。また、ボールが渡っていないため利益を得ていない。
だからオフサイドの違反は成立しない。
本来であれば副審は、ボールがオフサイドポジションにいた攻撃側の選手に渡るまで旗を上げるのを待てばよかったのだ。
旗が上がったからといって必ずしもオフサイドが成立するわけではないので笛が吹かれるまでプレーを止めてはいけない。