サッカー審判TIPS(443) ゴール内でのオフサイド? | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(443)
 
ゴール内でのオフサイド?
 
ゲストブックに寄せられた質問から。
私自身、何が正解かわからないので皆様からご意見を募りたいと思います。前置きが長いけど辛抱して読んでくださいね。
 
今年の「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」101ページ、オフサイドの解説の中にこんな表現がある。
 
ボールがゴールに入ったとき攻撃側競技者がゴールポスト間のゴールネット内で動かずにいた場合、得点は認められなければならない。しかしながら、攻撃側競技者が相手競技者を惑わせていた場合、得点は認められず、競技者は反スポーツ的行為で警告されなければならず、プレーはプレーを停止したときにボールがあった位置からドロップボールで再開されなければならない。ただし、ゴールエリア内でプレーが停止された場合は、ドロップボールは、プレーを停止したときにボールがあった地点に最も近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上で行なう。
 
こんなケースだろう。
コーナーキックなどでゴール前に飛び込んだ攻撃側競技者が勢い余ってゴールの中に飛び込んだとする。
フィールドに戻ろうとしたが跳ね返されたボールを味方がシュートしようとしている。
このままではフィールドに戻ったときにシュートに触ったらオフサイドになるかもしれないし、触らないまでもフィールドに戻った自分に相手競技者がマークに付こうとしたら「関与」したことになってしまう。
ということで、そのままゴールの中に留まっていた、というような場面を思い浮かべる。
102ページの下の図(オフサイドポジションにいた攻撃側競技者が相手にも関与せず、ボールにも触れなかったケース)において(A)の選手がゴール内にいたというようなものだろう。
 
攻撃側のシュートがそのままゴールに入れば、ゴールの中にいた攻撃側選手は守備側の最終ラインよりも先にいたことになるが、フィールドの外であり、プレーにも関与していないからオフサイドではなくゴールを認めるということだ。
では、相手競技者を惑わせていた場合とは?
ゴールの中に留まっていながらも、 声を出して相手競技者を騙そうとしたとかかな。
「キーパー、触るな!」とか、「こっちだ、こっちだ!」とか、「キーパー、左はカバーしたぞ」とか。
 
これは反スポーツ的行為だ。そして警告。
 
ここまでは良い。
で、プレーの再開をどうするか。
プレーを停止したときにボールがあった位置とはどこ?
笛が吹かれたときはシュートはゴールに入っていただろうが、まさかゴール内でドロップボールはできない。
となるとシュートが打たれた地点だろう。
ところがこのようなケースではシュートが打たれた地点というのは大体においてペナルティエリア内である。
そこでドロップボールとは!
反スポーツマン行為を犯したチームに有利な再開方法ではないだろうか。
というのが質問の内容だ。
前置きが長くて済みません。
 
このような場合、ドロップボールを行なうときに攻撃側選手を呼ばずにゴールキーパーが手で拾えるように落としてやるなどという配慮をするのが現実的な対応なのだろうか。
しかしゴール近くでのドロップボール、一旦ゴールインしたシュートを取り消された攻撃側。
果たしてこのチャンスをみすみす逃すだろうか。
今度こそ決めてやる!と勇んでドロップボールに臨むのではないだろうか。
 
このような場面に遭遇された方、あるいは現実的にどのような対応をするのが望ましいかご存知の方はご教示いただきたく思います。