サッカー審判TIPS(442)
再開と懺悔
再開と言っても試合におけるプレーの再開ではない。
しばらくブログをお休みしていました。ごめんなさい。
震災と原発で練習も試合も大会も中止や自粛でした。そんな中3月29日にチャリティーマッチが行なわれ、これがなんだか事実上のサッカーシーズンの幕開けのような印象になった。
もちろん震災で被災した方々、家族や友人が犠牲になった方々、サッカーどころではないと思われます。
そういう皆様には申し訳ないが、復興を祈ること、できるだけ募金すること、折に触れ心の片隅で被災者を思いやること、で自粛していた活動を少しずつ再開することにしようと思いました。
次に「懺悔」ですが、ときどき「あー、あの判定は失敗だった」と髪をかきむしりたくなることがあります。
(その1)少年の大会で主審をやったとき、両足でスライディングタックルをした選手がいた。足はボールに当たり相手選手を蹴ることはなかった。相手を傷つけようとかいう意図はなく、悪質さの度合いは低かったが、「足の裏を見せた」という事実だけを見てレッドカードを出してしまった。
(その2)大人の試合だが、やはり主審をしていたとき。
ペナルティエリア内で守備側の選手が相手がコントロールしていたボールを蹴ろうとして自分の足を相手の足(アウトサイドのあたりだっただろうか)に当ててしまった。当たりの強さはそれほどでもなく、攻撃側選手も倒れることなくシュート(はずれたけど)できた。しかし、「相手の足に当たった」という事実だけを見てペナルティキックを宣言してしまった。
いずれの場面も、その瞬間だけを切り出したらファウルの判定になるだろう。
でも、そのシーンの裏にある選手の意図(1のケースだったら、スライディングした選手が相手を蹴ってもいいと思ってのプレーだったか、とか)を読み、そのプレーが相手のプレーにどう影響したか(2の場合だったら、密集の中で足が当たった程度であり、それによりシュートの精度に影響があったとは思えなかった)を考慮し、画一的な判断をすることは避けるべきだったと思う。
足の裏を見せたから警告、退場とすること、足を蹴ってしまったから直接FK、とその現象だけを見て杓子定規に判定することは望ましくないということ。
(その1)だったら、ファウルあるいは警告に留めるべきだっただろう。(その2)だったらPKを取らずに流しても問題はなかったと思う。
どちらの場合も守備側の選手には気の毒なことをしてしまったと思い、懺悔する次第である。
蹴ったのだから厳格に対応すべしというお考えもあるかと思うが、まぁやり過ぎたというのが本音です。
ではまた。