サッカー審判TIPS(261)
強風の中のPK戦
1月10日(土)に少年団の大会があり、私が指導する4年生も隣町のグランドに遠征した。
前日の金曜日は終日雨が降っていた。夜中、帰宅するときも雨だった。
当日朝は晴れてはいたもののグランド状態が心配であった。
グランドに到着してみると、心配は無用だった。水はけの良いグランドであったこと、朝から快晴だったこと、さらに強風が吹いていたことにより、水溜りはすっかり乾いていた。
しかし、風の恩恵でグランドが乾いたのは良かったものの、体感温度は降下の一途。
子供らは走り回って暑くなるからいいものの、審判団はブルブル震えることになる。
そして強風により、スルーパスが簡単にゴールラインを割ったり、高く上がったボールが押し戻されたり、とやりにくいやりにくい。
そんな大会も決勝を迎え、参加チームで審判を割り当てて担当する方式により、たまたまKenKenは決勝戦の副審を担当することになった。
試合は0対0の引き分け。優勝チームを決めるために「ペナルティマークからのキック」が行なわれることになった。
ある選手がPK戦の助走を始めたときに強風がビュ~ッと吹いてきて、ボールがコロリと動いた場面があった。
そのとき、選手は助走を止めて手でボールを押さえ、セットし直した。
それはOK。
その後もう一度後ろに下がって助走を始め、今度は無事にキックができた。
さて、その時に違和感。
なんだろう?
そう、キック前に笛が吹かれなかったのだ。
風でボールが動いてしまった。これはキッカーの責任ではないので手でボールを止めたことについては仕方がないと思う。
しかし、セットし直して仕切り直し。そして再度のキック、ということならば、主審はちゃんと笛を吹かないといけない。
笛により助走を開始する。ゴールキーパーや他の選手、観客もその笛が「このキックでのキッカーとキーパーの戦い」が開始される合図として認識される。
そういうものだと思う。
強風でボールが動く前に一度笛は吹いているものの、仕切り直しをしたからにはもう一度笛を吹くべきであったと思った。