サッカー審判TIPS(196)
ボールの空気圧
ルールブックによると、「空気圧は海面の高さで0.6~1.1気圧」と書かれている。
どうやって測るんだい?
空気圧計というものを使うんだ。
空気圧計もさまざまなものが発売されているのでお持ちの方や見たことのある方も多いと思う。
0.6気圧だとかなりベコベコな感じがする。
1.1気圧だととても硬い。ヘディングなどしたら気絶しそうだ。
少年団の公式戦では概ね0.8気圧くらいでやっている。
一方、ボール扱いの練習などでは逆に少し甘いくらいにしている。
その方がボールリフティングもやりやすいからだ。
さて、この条文の「海面の高さで」というのが曲者だ。
つまり海抜0メートルのところでボールの空気圧がこの範囲内でということ。
夏の高原で合宿などする場合、平地で硬めに空気を入れてボールを持っていくと、気圧が低いためボールがパンパンになったりする。
逆に高地で練習したあと平地に降りてきてボールを出すと空気が抜けたようになる。
J2の草津に関わっていた人から、練習場と下界のアウェーグランドでボールのタッチが異なるという話を聞いたことがある。
ただし、限界までボールに空気を抜いて使用したり、限界まで空気を入れて試合に持っていったりすることはあまりないため空気圧の増減があってもルールの範囲内に収まるというのが普通だろう。
低気圧が近づいてきて天気が悪くなりつつあるときも気圧が下がるためボールが硬めになる、ということは理論上あり得るが、実際に体感できるほどの差はないだろう。
エクアドルやメキシコシティなどの高地でサッカーをやることによるアウェーチームのディスアドバンテージがよく話題になるが、ボールのタッチも異なることも頭に入れておきたい。
(逆もまたあり得るが…)