サッカー審判TIPS(189) アウトオブプレーの意識 | サッカー審判KenKenのブログ

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アウトオブプレーの意識


昨日の日記に「選手が倒れているのにプレーが続行された場合」についてコメントをいただいた。
実際に起こったケースをもとにコメントされているのでこちらも参考になった。

一つは、ゴール前で相手FWと接触したDFが倒れたFWを介抱している間に他の相手選手にシュートを撃たれて失点したケース。
もう一つはファウルがあって笛を吹いたがその場に倒れた選手を主審が見に行っている間にリスタートされ失点したケース。

一つ目は、人間として美しい行為だが得点は認められるだろう。
こどものうちは、このような場合でもちゃんと相手を気遣うことができるそういう気持ちが残っているだろう。オジサンになると、倒れている相手を一瞥はするものの本当に深刻な状況でなければプレーに戻るケースがほとんどだろう。
人間としてどうよ、ということもあるが自分の胸に手を当ててその場面を思い浮かべるとやはりボールを追ってしまうだろうと思う。

こういったケースでは主審の瞬時の判断が重要になる。
4月のブログ(160)あたりでケガ人への対応について書いたが、プレーを止める必要があるのかどうか的確にジャッジしたい。
(ま、安全サイドを考えればプレーを止めるのが無難かもしれない)

二つ目のケースでは、様子を見に行くときに笛をピピッと吹いてプレーを切っておくべきだったでしょう。

以前にも書いたがフリーキックのときにはすぐ蹴ろうとしているのか、あるいは少し時間がかかるのかを見極めなければならない。
壁が近いのを承知で早いリスタートをするのであればそうさせる。
ただ、そのとき主審として守備側の選手に関与していないようにしたほうが良いと思う。
私がよくやるのは、FKのポイントから離れながら「はい、ボールから離れよう」と声をかけていくこと。
そして次の位置取りを行なうのだ。

これならば自主的に下がっているうちに蹴られても自分達の責任だ。早く蹴ることに文句は言えない。
逆に早いリスタートを笛で止めていない状態で主審に「ここまで下がりなさい」と腕で指示されているうちに蹴られた場合は守備側の不満が出るだろう。

かつて主審をしていたときに、笛で止めずに壁を下げさせているうちにボールが蹴られ得点になってしまったことがあった。
笛で止めていなかったため攻撃側には何ら違反はない。
守備側には気の毒だし文句も言われたが、それ以来FKの時のアウトオブプレーの意識はかなり持つようになった。
こうやって初心者審判が少しずつ経験を積んでいくのです。その時の守備側のチーム、ごめんなさいね。