サッカー審判TIPS(140)
判定が招くラフプレー
朝日新聞2月26日朝刊のスポーツ欄に日本サッカー協会審判委員長松崎康弘氏のコラムが掲載されている。
彼は今回の東アジア選手権の大会審判委員長を務めた。
審判関係者のコラムが新聞に掲載されるのは珍しい。
このコラムの中で肝に銘じなければいけないと思った文言があったので引用したい。
今回のブログは半分パクリになってしまうが、審判の技術向上に役立つということで松崎氏にはお許し願いたい。(ってお願いしたわけではないけど)
日本対中国戦、安田が中国のGKに蹴られた場面について
主審は、「無謀なプレーだったが、相手を傷つける意図はなかったと判断した」と言う。その通りなら警告でいい。しかし先にシュートは打たれている。GKが足を上げて飛びかかる必要は無かった。そんなことをすれば、相手を傷つける結果になることは明白だ。GKの「意図」が読めていれば、判定は違った。
競技規則を正しく適用すればGKの退場だ。ビデオを見ながら説明すると主審は納得した。次いで、どうすればよかったのかを指導した。激突の瞬間、主審は安田を真後ろから追いかける形でセンターサークルのあたりを走っていた。プレーから遠いだけでなく、非常に見にくい角度だった。選手の近くまで行くのがベストだが、間に合わなければ衝突の瞬間が見えるように、左右へ位置を修正すればよかった。
そして、これが大切な言葉。
選手は主審の力量を敏感に見抜く。ファウルや警告の基準が甘いと、今回のように、そこまでなら許されると、危ないことやずるいことをしようとする選手が出てくることもある。選手の安全を守る笛があって初めて、激しくもフェアなプレーが繰り広げられるようになる。それがゲームコントロールの第一歩で、魅力的な試合につながる。
肝に銘じておきたい。