サッカー審判TIPS(77) オブストラクション | サッカー審判KenKenのブログ

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オブストラクション

この言葉は今のルールブックには出てこない。
単に、「相手の前進を妨げる」として間接FKの対象となる行為の一つの例として触れられているのみだ。

最近、少年団の試合でたまーに目にする。

サイドからグラウンダーのクロスが入る。
 (※ときどき「グラインダー」と言う人がいる。それはヤスリですがな)
ゴールキーパーがボールに取りにいく。ゴールに向かって戻るディフェンダーがゴールに向かう相手フォワードとゴールキーパーの間に入って両手を広げてゴールキーパーを守るような仕草をする。

麗しきチームメートとの助け合い。
に見えるが、自分がボールに届かない位置にいて相手競技者のボールへの寄りを妨げたことになる。
昔は「オブストラクション」と言っていた。
よく「オブスト、オブスト」と略されていた。

意外にこれが見過ごされている気がする。
アメリカンフットボールではないのだから、ボールにアタックに行こうとする相手の邪魔をすることは反則だ。
例外的なのが、自分がボールをコントロールしながら相手をブロックすること。
このときコントロールというのは「足を伸ばせばボールが届く距離」と解釈できると思う。
Playing distance と言われている。


こんな場合もある。
相手のスルーパスが少し大きすぎてゴールラインに向かって転がっている。
フォワードとディフェンダーが追いかける。
ディフェンダーはゴールキックにしようと思ってボールと相手の間に体を入れる。
これは、ディフェンダーの足が届く距離にボールがあれば問題はない。
しかし、ボールがはるか先にあるのに先にコースに入って体を左右に動かしたり、後ろを振り返りながら自分の走るコースを微調整したりするのは間接FKの対象となる。


いわば、アンフェアな行為であるので、見過ごさないように。
ちょっとでも「アレ?」と思ったら笛を吹こう。ただしゴールに近い位置でのリスタートとなるので守備側からは抵抗されると思うが。
試合の中で最初に見つけたときに笛を吹いておかないと以後取れなくなる。

オブストラクションという名前がなくなってしまった反則だが、存在がなくなったわけではない。
意識してみよう。