サッカー審判TIPS(32) 得点後の笛 | サッカー審判KenKenのブログ

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得点時の笛

半月ぶりの更新だ。プライベートな事情でちょっとばかり滞ってしまった。
しばらく審判をする機会もなかったので面白いネタも提供できずにいました。

さて、本日は地元少年団の県大会予選。
帯同審判として3試合のうち主審を2本担当した。

少年団の話を書く前にちょっとばかり別な話をしたい。
実は昨日(9月1日)、大学サッカーを観戦した。慶應大学vs流通経済大学。親善試合。
慶應は関東大学リーグ2部前期優勝し来期の1部復帰をかけている古豪。
しかしながらその慶應に対して、昨年度1部優勝でJFLにも参加している流経大は格が違う。
ついでに言えば流経大のGKはU-22代表でもある林彰洋だ。(もっとも昨日の試合では林がゴールマウスを脅かされる場面は無かったが)
昨日の主審は多分神奈川のサッカー協会から派遣された人だろうと思われるが、ジャッジの中でたいへん印象に残るできごとがあったのだ。

それは…
流経大がゴールを決めても主審が笛を吹かないのだ。(慶應にはゴールは無かった)
ゴールインした場合は今までは高らかにホイッスルが吹かれてゴールを宣言していたものだし私もそうしていた。だからゴールしても静かなのはとても違和感があった。

そのとき、先月の3級審判講習会で講師が話していた言葉を思い出した。
「得点で笛を吹く必要はありません。私も笛を吹いていません」

今年度のルールブックを確認してみた。2007/2008の版をお持ちの方は81ページを確認してほしい。
http://www.jfa.or.jp/jfa/law/pdf/law_soccer_all_07.pdf

※次の場合、笛を吹く必要はない。
 次の理由でプレーを停止するとき
 -ゴールキック、コーナーキックまたはスローイン
 -得点

と記載されている。
そう、得点シーンで笛を吹く必要はないのだ。
最近のJの試合をテレビでも見ていないので本当に笛が吹かれていないのか未確認だがルールブックに明記されているので、いずれこれが当たり前になっていくのだろう。
やたらに笛を吹くと本当に必要なときの笛の重みがなくなるからというのが主な理由だ。


ということで本日の少年団の試合では得点シーンで笛を吹かない、ということを試してみることにした。

念のため試合前の打ち合わせで副審と4審に「ルールブックにも書かれているのでゴールインしても笛を吹かないことにします」と伝えた。もちろん、ネットを揺らすような明らかなゴールでない場合つまりバーを叩いてインゴールに落ちてフィールドにボールが戻ってきてプレーが続いているような場合には副審に旗を上げてもらい主審の注意を引き(疑わしい場合はもちろん主審も副審を見るので)、アイコンタクトをして通常のゴールインと同じ行動を取ってもらう。つまり副審はタッチライン沿いにダッシュする、主審はこの場合は笛を吹いてプレーを止め、ゴールインを宣告する。おっと違った、ゴールインの笛を吹いて得点を宣言しその結果プレーが停止されるということだ。


本日私が主審をやった際には明らかなゴールばかりであったため上記のようなケースは発生しなかった。


しかし試合を終えて戻ってきたときに本部から「少年の試合の場合はまだ通達が徹底されていないし、コーチや観客もなれていないので笛は吹いてくれ」と言われた。
やはりJの試合とか代表の試合でそのような場面にたくさん触れないことにはこのような習慣は普及していかないのだろう。

次に社会人リーグで吹く際に試してみようと思う。



■笛は最小限に留めること
 これは以前のルールブックにも書かれていた。
 両チーム得点が入らずファウルも無く疑惑のプレーも無かった場合には前後半開始と終了の4回だけ
 笛を吹く。これが主審が吹く最低の回数であるということを講習で聞いたことがある。
 試合としては地味でつまらないかもしれないが理論的にはアリエールなのだ。