サッカー審判TIPS(9) 用具チェック | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー3級審判KenKenの審判経験記

サッカー審判TIPS(9)

ピッチにラインを描いた。
審判の道具も揃えた。
ボールも準備した。

次は選手の用具チェックに移る。

第4の審判も含めて4人の審判がいるので、2人ずつ1チームのチェックを行なうのが望ましい。
一人が選手の前で番号を呼ぶ。
副審『2番!』
選手「はい」
副審『名前、フルネームでお願いします』
選手「○野△夫」
副審『すね当てしてますか』
選手「はい」(パンパン)
副審『スパイクの裏、見せて』
選手「はい」(と後ろに立つ主審(または第4審)に靴の裏を見せる)
副審『アクセサリーはしてませんね』
選手「はい、してません」
副審『OKです。シャツ入れてね』

上記の注意点をまとめると…

(1)身代わり出場がないように、自分の名前をフルネームで言わせる。選手証が手元にある場合は
 生年月日を言わせることもある。

(2)後ろに立つ審判は背番号と靴の裏を見る。
 パンツに付けている番号が背番号と違う場合がある。他の選手のパンツを借りて出場した場合などだ。
 当然このままではダメなので換えさせる。持っていない場合は原則出場できない。
 救済措置としては、裏返しに穿く、または番号の上に白いテープを貼り付けてしまうなどがある。
 しかし、他の選手が付けている番号が付いていないのだから相手チームにとってはその選手の番号を
 前から見て知ることができない。試合中「○番マークしろ!」と叫んでも背中を見ないとわからない
 のでは不公平だ。
 特別措置をしてもらうチームのキャプテンが相手チームに「主審と本部の了解を得たのでこのパンツ
 でやりますから了解してください」と挨拶するのが望ましい。
 ま、テープの上にマジックインキで番号を書くのであればオッケーとして良かろう。

(3)すね当てについてルールブックには「ストッキングで完全に覆われている」「適切な材質(ゴム、
 プラスチックまたは類似のもの)で作られている」「それ相応の保護に役立つ」とある。
 それ相応の保護に役立つってどういうことだろう。
 例えば、すね当てを忘れたからってダンボールを千切ってすね当ての代わりにするということは
 許されないってことだ。

(4)スパイクの裏は最近ではほとんど形式的にしか見ない。
 天然芝のピッチでさえポイント取替え式のスパイクを履く人は減っている。
 しかも取替え式のポイントの先端から芯の金属が露出していないこと。そんなケースは滅多にない。

(5)アクセサリー
 指輪、ダメ。(結婚指輪が抜けなくて苦労するケースが多い)
 ピアス、ダメ。(試合中、接触プレーで相手選手に怪我をさせる恐れがある)
 ネックレス、ダメ。(指が絡まり、首を絞めるかも)
 ミサンガ、ブレスレット、ホワイトバンド、ダメ。(相手選手の指がスポッと入り危ない)
 眼鏡、ダメ。(自己責任で許す場合あり。我がチームにはヘディング時にパッと眼鏡をはずして
 プレーする選手がいる)

 冬など、手袋しているから指輪してても大丈夫だろうと主張する選手がいるかもしれない。
 そうやって逆らう選手がいたら「手袋ってはずせるだろ。試合中に暑くなって手袋を脱ぐこともある
 かもしれない。審判はそれをいちいちチェックしてられないからね」と言う。説得力あるでしょ。

まさか同じ背番号の選手が2人いることはないだろう。
と普通は思うが、私は少年団の試合でそれに遭遇したことがある。
下の学年から選手を借りてきて出場させるような場合、背番号がダブるケースがある。
私はそれに気づくと「ユニフォーム換えてください」と容赦なく言う。
「あ、これ下の学年の選手だから同じ番号なんです」とコーチが何事もないかのように言う。

どういう処理をしたか。
最悪他の選手と区別がつけば良いのだから、「裏返しに着る」とか「ビブスをつける」という対応が
考えられる。ケースバイケースだね。
大人の試合だって、ユニフォームが足りないからって前年度に使っていたユニフォームを新しく入った
選手に使わせるようなときにこういうトラブルが発生する。

さぁ、用具チェックが済んだ。 
でもまだ試合を始められない。

続く…