それは無理だと決め付けるのはただの怠惰です | 例えば子供の引き出しの中

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ICTの教育現場への活用についてはすでに結構浸透しつつあります。
まだ実際には使っていないところがほとんどですが。

メリットもあればデメリットもありますが、それは紙と鉛筆で授業を受ける今までの形でも同じこと。

見えにくければメガネをかければ良い。
計算が出来なければ電卓を使えば良い。
字が書けなければワープロを使えば良い。

それが普通になって行くと良いなと思います。

けれど、実用の場面で電卓を使うには、数の概念がわからないと使えないんです。
例えば、お店ではレジの人が計算しますが、自分の持っているお金が足りるか?私達は大雑把な計算を暗算でします。
498円を500円、298円を300円としてだいたい800円、だから1,000円あれば足りるな、という感じで。
けれど、電卓で498+298=796で計算できたとして、それが1,000円で足りるのか?
1000と796はどちらが大きいのか?
又は財布から正しく796円を取り出せるのか?

それがわからない、できない子供はたくさんいます。

ワープロを使うにも、変換した漢字は正しいのか?文脈は合っているのか?思っている言葉どおりに入力できるのか?

そこを分かるように持ち上げて行かないと便利な道具も使えない。

1から10まで本人の努力のみに任せるのは今までの学校でした。
これからはどうしても超えられない部分は便利な道具に頼って良いと思います。
もし頑張っても6までなら、7から10まで道具を使えば良いじゃない。
というか、1から4まで道具で6から10が自分かもしれない。
それはその子次第です。
そして指導者はその手伝いの方法を探ります。

さて、マルチメディアデイジーという電子教科書があります。

マルチメディアデイジー教科書とは、通常の教科書と同じ中身と画像で、文字に音声をシンクロ(同期)させて読むことができます。ダウンロードして使います。
音も出ます。カラオケみたいに読んだ部分の色が変わったりもします。

これを学校で普通に使えるようになれば、特に読みの部分で困っていた子ども達が楽になります。余分な努力を強いられなくて済むんです。

何年か前までは「使っている子に対してずるいとか言う子が出てきて収拾がつかなくなるんじゃないか」とか思っていました。
しかし、「ずるい」と思う子供って、ひょっとして「自分も使いたい」からそう言うんじゃないか?と思います。それならその子も使ってみれば良いんです。必要ない子はずるいなんて思わない。使ってみて、「要らないな」と思えば今までどおりの紙の教科書を使えば良い。

そういう環境を整えるのが私達の役目なんですよね。
「そんなん、無理だ」なんて言ってるうちは何も変わらない。支援者のただの怠惰です。

近いうちにデイジーについての大学の研究会を見学させてもらおうと思っています。

またその事は差し支えない範囲で報告しますね。


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