私にしては珍しく正反です(笑)
いやいや、笑ってる場合ではありませんよ。
私は、着物メーカーさんや問屋さんでB反をわけていただいて、どうにか毎日の着物ライフ続けさせてもらっている着物バカですから。
正反もちゃんと買うけどそればっかりだったら破産します!
こちらリンクから見ていただくとわかる通り、
↓ほんまに、あらゆるタイプの着物を作り出す巨大産地、十日町♪ (あ、韻踏んでるわ笑)
さてさて本日のトピックは、
「着物のガード加工、する?しない?」です!
ガード加工ってどんなもの?
いろいろな着物屋さんで、撥水性を付加する「○○加工」「○○ガード」というのがおすすめされています。
着物のガード加工って、いろいろあると思うのですが代表的なものとして
パールトーン が挙げられます。
めちゃくちゃ衝撃的な広告を見つけましたので載せておきます笑
出典 別冊美しいキモノ 昭和52年発行
恐怖心煽りすぎやけど笑、これはほんと「あるある」なので、ガード加工されていると安心ですよね。
ほかにも、すこかやガード、とか、あんしんガードとか、なんやかんやいろんな加工の商品名があります。
・撥水加工をして、着物が雨や湿気や汗などで縮むのを防ぐ
・表面に汚れがつきにくくする(防汚)
を目的として行われる加工。
しかしながら、完全に繊維の中までガードできませんから、特に大気中の湿気などについては「絶対に縮まないとは言い切れないけどね」というもの。
まあ、世の中、絶対はありませんから笑
とにかく着物に対してやっておけば安心という技術です。
ガード加工が苦手な理由
まあ、これは する派orしない派 とはっきりわかれるわけではなくて、素材や着る機会によって選択するのが常識的なのですが、
実は 私は「ガード加工」しない派 として今まで生きてきました。
ガード加工すると 生地の表面の手触りが変わってしまう ので、着ていてもそれが気持ち悪くて。
ガード加工した大島紬を持っていますが、レインコートを着ているようでなんというか、ぬるっとして大変気持ちが悪いです。
またガード加工した付け下げも実家にありますが、これは泡立ちの良いボディタオルですかっていうくらいのガサガサ・・・・
もちろんレンタル用の着物なんかはしっかりガードしておくのいいと思うのですが、個人の感想としては今までこんな感じでした。
あくまでもこれは私の主観なので、怒らないでください。
良いお着物にダメージを与えないように、手持ちの着物について、紬以外はほとんど全部ガード加工してるって人も着付け講師の先輩におられます。でもその人とこのテーマで言い争うことはなく、めっちゃ仲良しです笑。
それぞれの好み、主観があるってことで、さらにそのマイルールも永遠絶対な信仰ではなく、常に迷うものだから今回の記事が成り立っています。
あらためて振り返ると、着物をたくさん買っていたメーカー勤務時代は、その商品をよりよく知るためにも、生地そのままの風合いがわかる状態で実際に着て動くことを全社員も心がけていました。
ガード加工をお客様におすすめするかしないかはまた別の話で、自分の経験知識としてってことです。
なので、まわりで同業者で自分が着る着物にガード加工している人ってあまりいなかったです。(仕事着のクリーニングは会社が負担してくれるなどの理由ももちろんあるでしょうが。)
また着付け講師になってからも、生地の風合いなど生徒さんに伝える立場ですから、上記のと同じ理由でガード加工なしを続けていました。
唯一例外が、この紋紗の羽織。
年中通して着られるアイテムのため、雨の多いときも考えて、やはりアウターなのでガード加工しました。
なんせアウターなので、この上から腰紐結んだり帯締めたりしませんから、身体との密着具合が着物や長襦袢とは圧倒的に違います。
さきほどの、生地の風合いが変わるのが気持ち悪いというところには該当しません。
でも、メーカーが推奨している!
でもよく見てください。
ガード加工してって、織元さんがおっしゃってるんです(笑)
私がどんだけこだわりぶちまけても、ダメなんです(笑)
動かぬ証拠、ここにあり・・・
強撚糸というのは、糸の撚りが強いというそのままですが、
わかりやすいところでいうと、御召(おめし) といわれるジャンルの着物を思い浮かべていただくといいですね。
強撚糸を使った代表的な織物といえば、本塩沢もありますが、こちらも縮みやすいといわれる着物です。
しかし、私は塩沢でも西陣御召でもなんでもとにかく、ガード加工 したことなく四半世紀 問題なく着物生活しているので。
ここまでハッキリ書かれていても、「えーーーマジでー」と抗ってしまいます(笑)
めんどくさい人になってしまう笑
もともとガード加工なんてしない前提でお仕立て屋さんに持って行ったのですが、よく見たらこう書いてある・・・
ここで信念ゆらぐよね。
どうしよっかなってなりますよねw
でもグダグダ迷ってたら、ただのめんどくさい客になってしまうので、ささっと決断しようと思いました。
【決断 その1】
このままポリシー貫いて、ガード加工なし!
縮む前提で対応するなら、身丈をすこし1.5cmほど長めに仕立てておく。
この範囲ならおはしょり調整で問題なし。
しかしながら・・・ここで「居敷当て」問題がのこります。
夏着物の"居敷当て"
ここで夏の着物のガード加工について、ひとつご注意いただきたい、「居敷当て」問題についてご紹介します。
居敷当てとは、単衣の着物と夏の薄物(透ける着物)どちらにもつけることがおおい、補強のための布です。
着物の後ろ身頃の下半身部分につける布で、これがおしり部分の生地の補強になり、着物の縫い目に負担がかかるのを防いでくれます。
夏の着物でこの居敷当て が問題になるのは、表から透けて見えるからです。
たとえば単衣の透けない着物の場合、裾から1寸(いっすん)ほど短くしてついていることが多いです。
お尻の補強ですから、すそギリギリまでは必要ないですよね?
しかし透ける着物については、途中で居敷当てが途切れていると外からうっすら見えるので違和感があるため、こんなふうに裾から5分(ごぶ)ほどだけ短くします。
で、夏物の場合ギリギリまで居敷当てを付けるので、着物が縮んだ場合そのぶん居敷当てが裾から見えてきてしまうということになります。
・・・なんかめんどくさいな。
というわけで、
【決断 その2】
やっぱりガード加工しちゃう!
いっちゃいましょうか!
でも・・どうしよう!w
結局、私は今回 ガード加工する! を選びました。
やはり経験値を増やしていろいろやってみたいというのが最終決定のポイントでした。
夏着物のガード加工は未経験なので。
なんか撥水加工された生地って暑そうだなとか思うのですが(表地裏地ともにガード加工済みの袷の着物は何度か着ましたが、やはり通気性があまりよくなくて気持ち悪かったです...)生地によって違うでしょうから、この明石縮でやってみて果たしてどうなのか、自分が経験してみるしかないです。
もちろんガード加工しない選択も実は安心して行えます。
少し身丈ながめに、そして居敷当てなんて表の着物がすこし縮んでもし見えてきたら、その時にはずしてまた付け直せばいいんですよ。
とてもシンプルなこと、でも、一般的に初心者様や頻繁に着物を着ない人はこういう選択で迷うこともあるかもしれません。
なのでいろいろ迷うことについて、着付け講師としても適切なアドバイスが出来るように、普段しない選択をしてみました^^
ちなみにガード加工は仕立てあがった後でもできます。
とりあえずやってみて、の加工のフローチャートがどうなるか、自分のなかで頭の整理がついたらいろいろ選択肢が広がりそうですね。
それもまた時間のある時に記事にしてみたいと思います!
過去にもパールトーン加工について書いた記事があります。併せてどうぞ♪
リサイクル着物の視点からみるパールトーン加工
リサイクルショップのなかの商品からパールトーンがかかった着物を探してきて、パールトーンのかかっていない着物と比べて見ました。