こんにちは。
京都の着付け教室 きものシャン 講師の原です。
2020年に注目したのが、少し前まで避けていた赤い八掛。
赤い八掛が全部嫌なのではなく、表地が赤系だったり、かっこいい黒の着物に赤!とかなら好きだったのですが、
紺色に赤とか、紫に赤とか、表地とかけはなれたコーディネートしにくい色として赤がついている場合、なんだか古臭い!と思っていました。
しかしこの赤い八掛に注目してみようとはじめた【赤い八掛を楽しむ日々】
今と昔の八掛事情について↑こちらの記事で考察していますので、未読の方は併せてごらんください!
さて、八掛の赤を活かしてコーディネート。
細かい絣の藍色の本塩沢です。
素朴さがこのお着物の良さなので、その良さそのままを活かしたうえで
「どんくさくならない」コーディネートを考えてみます。
半襟は さく研究所
クリスマスぽいですね♪
ポイント① 赤い八掛を活かしてあげるコーディネートを目指す。
赤を目立たせないようにしようと、他の色をいろいろもってきても、赤い八掛は動けばかなり目立ちます。
この色をじゃましないように、色半襟にするならば調和するもの、そうでなければ白襟を活用してください。
白襟であれば、もう少し帯回りの色を足してあげても違和感ないと思います。
ポイント② 和の色であることを意識する
洋風のコーディネートにしようとポップに持っていこうとしすぎないこと。
たとえばこの着物をトリコロールカラーと解釈して... というのもひとつのアイデアですが、
もともとの着物がvividカラーであればどんどん洋服感覚でいけちゃうのですが、
和のすこし落ち着いた色味は、レトロポップになりきれないものが多いです。
中途半端で逆にダサくなってしまいます。
このお着物もまさに、素朴な和のあじわい系なので、
ハッキリした切り替えで考えるより、少しずつニュアンスの違う色味で周りを固めて馴染ませる、というやり方の方が結果的にスッキリ見えます。
今回であれば、着物と八掛が反対の色味、であるところに注目。
もちろん着物の方がみえている色の面積が大きいわけですから、帯や小物類を使って赤い八掛の存在と表の着物を馴染ませてあげる と考えてみてください。
左から、帯、着物、八掛です。
帯には、八掛とも着物とも馴染むグレーの地色のなかに、八掛そのものと馴染むような色が入っています。
この時点で、なんか帯が地味だなぁと思う方も多いと思いますが、ここはすこし我慢して小物合わせを続けてみましょう。これで八掛さんカラーへの協力者が増えて、着物と八掛が違和感なく馴染んできましたね!
なお、ここで古臭く見せないためのポイント
ポイント③ 小物類は新しいものを取り入れて、アップデートする。
ズバリ、帯締めと帯揚げを現代物に変えてあげる。
現代物=モダンなデザインを選んでね、という意味ではありません。
新しいものにしようという意味です。
帯締め帯揚げは、色が褪色しているもの、つまり箪笥に入れっぱなしで黄ばんでいたり、店頭に置かれっぱなしで色やけしているものが古いものにはよくあり 全体的にくすんだ印象を与えがちです。
新しい帯締め帯あげ、を取り入れるとスッキリ見えます。
価格的には1万円前後のものがスタンダードとして品質もよくおすすめします。
たとえば、リサイクル着物や帯を5000円以内で揃えられている場合など、そんな小物のほうが高いなんて!と拒絶反応を示される方もおられますが、小物は本当に大切です。
総額で考えたら、清潔感が簡単に生まれますので、ここはお金をかけてもよいところです。
(自分の体験に基づいておりますー笑)
レトロ感を大切にするのと古臭く見えてしまうことは別物ですね。
さて、最後に長襦袢。
ポイント④ 長襦袢は白でOK
私は帯と同系色のグレーの襦袢にしましたが、麻の葉の柄は白です。
ちなみにこの日はヘアアクセサリーにも色は入れず。白パール系のヘアクリップと髪に巻いた真田紐も白と茶色で帯の色味と合わせました。
色合わせはなかなか大変ですが、最終的に自分の体と顔がそこにはいって「ええ感じ♪」 となるのが正解なので
カラーコーディネートの理論的なことだけでなく、鏡をみてなんかちがうなと思ったときには、その感覚に答えがあると考えていいと思います。
似合わないというパターンはありません。
ただし、付けておられるアイシャドウやリップの色味が着物とまったく合っていない場合があるので、そういうときはご自身の肌と馴染むナチュラルな色でメイクをまとめられるとよいかと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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