こんばんは
今日も試験勉強です
きもの文化検定 問題集2021年版 1級向き練習問題
問14は「武州正藍(しょうあい)染」に関する
虫食い問題でした
さすが2021年版の問題集
ちょっとミーハーな時事ネタの問題ですね
武州正藍染は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品には
指定されていませんので、
ちょっとマニアックな染織品です
(埼玉県の伝統的手工芸品には選定されています)
ですが、2021年の大河ドラマは渋沢栄一を主人公とした
「青天を衝け」が放送されていましたね
渋沢栄一は武州正藍染にも縁が深い人物です
問題を作った人は、吉沢亮さんのファンなのかも
では、武州正藍染について書いていきますね
武州正藍染は、埼玉県羽生市・加須(かぞ)市・行田市で
生産される正藍染を施した織物、又はそれを使用した
製品をいいます
羽生市付近に藍染が伝わったのは江戸時代の天保年間
(1781~1789年)頃と言われています
農家の主婦が農閑期を利用して家族の服を作ったのが
始まりとされています
最盛期を迎えた明治40年には、藍染を行う紺屋(こうや)
が200件以上あったそうです
武州正藍染は青縞ともいいます
糸を染めた後に織って反物にする先染めの織物なので、
糸の染めムラによって細かい縞模様に見えることから
こう呼ばれました
武州正藍染は綛染め(かせぞめ)といって、職人が
手作業で糸を染めてほぐすので、手作業ならではの
色ムラと、柔らかく温かい風合いが特徴です
現在は先染めも後染めも行っているようです
武州地方の井戸水は、他の地域よりも鉄分を多く
含んでいた為、武州の藍染は媒染の作用で
紫がかった濃い藍色に発色します
「正藍染」とは、すくもを灰汁で発酵して藍を建てる
「自然発酵建て」の天然素材のみを使った
伝統的な藍染のことをいいます
現在の武州正藍染を行っている染め屋さんでは、
科学建ての「インディゴ染め」も平行して行っている
ところもあるようです
そして、渋沢栄一の存在ですね
渋沢栄一は埼玉県深谷市の出身で、実家は
深谷市名産の藍玉の製造販売と養蚕を兼営しており、
また農業もしていました
実家は原料の買い入れから生産・販売まで手掛けており、
渋沢栄一は子どもの頃から家業を手伝い、
14歳で藍葉の仕入れに単身で行くなど、
既に商才を発揮していたそうです
「日本資本主義の父」への第一歩ですね
武州正藍染は現在、着尺の反物だけではなく、
手拭い・足袋の表地・ハンカチ・袴・作務衣・半纏・羽織、
ランチョンマット・暖簾・Tシャツ・ジーンズと
様々な製品が作られていますが、特筆すべきなのは
剣道着です
国産の正藍染の剣道着の8割が、武州正藍染です
埼玉県の伝統的手工芸品には、武州唐桟・武州型染
・武州紺織の3種が指定されています
ということで、今日は武州正藍染についてでした
「渋沢栄一」と「剣道着」も併せて抑えておきたいですね
時事問題として出そうなのは、渋沢栄一が
お札の肖像になる2024年かもしれませんが…
それではまた~