こんばんは
WBCの準々決勝に勝ちましたね
毎試合、テレビに釘付けです
さて、今日は試験勉強です
きもの文化検定 問題集2021年版 1級向き練習問題
問10の(1)は、浪華(なにわ)
浪華本染めは、大阪府堺市と柏原市周辺で作られる染織品です
江戸時代から手拭いの大産地だった大阪において、
模様染めの手拭いを量産する為に、明治20年頃に開発されました
防染糊を置いた生地を重ねて、その上から
染料を注いで染める技法で、注染(ちゅうせん)と呼ばれます
表裏両面から染まるため糸の芯まで染まり、
表も裏も同じ柄が同じ色で出るのが特徴です
職人達の工夫で様々な染色技法も考案されました
この染色法を応用した浴衣が評判を呼び、全国に広まりました
現在は手拭いや浴衣だけでなく、アロハシャツや
コースターや日傘などの日用品にもこの技法が使われています
浪華本染めが経済産業大臣指定伝統的工芸品に
指定されたのは、2019年(令和元年)と最近のことです
製法を簡単に紹介します
まず、「板場(いたば)」と呼ばれる糊置き職人が
生地に型を置き、防染糊を生地に置いていきます
糊を置いたら一型ごとに折り畳んでいきます
ここでの糊の置き方で染まり具合が決まります
次に「壺人(つぼんど)」と呼ばれる染色職人が
防染糊の土手を引いて、色々な技法で染めていきます
染め方はいくつかあり、多色染めができる差し分け染めや、
ぼかし染め、染めの工程を2回繰り返す細川染めなどがあります
余談ですが、細川染めの由来は江戸時代の熊本藩主
細川氏にあると言われています
彼は神経質で、何事も2度繰り返さないと気が済まず、
小紋なども全て細かい柄を一面に染めた上から
更にもう一度模様を染める二度染めをさせていたから
という説があります
また、肥後細川家の初代・細川忠興の妻、
細川ガラシャが一度袖を通した着物に
上から別の模様を染めて着物を再生させていたから
という説もあります
オシャレな人として「細川」が残るのはいいけど、
神経質な人として後世に名を残すのは嫌ですね
話を試験勉強に戻しますね
問10の(2)の答えは「和晒(わざらし)」です
(2)は、浪華本染めに使用される生地を答える問題でした
現在の浪華本染めの材料である和晒は、
17世紀に石津川沿いの津久野(つくの)
・毛穴(けな)地方で興りました
この地域は和晒作りに欠かせない水や、日光に晒せるだけの
広さがある土地を有し、泉州(和泉国、現在の大阪府南西部)
特産の綿織物が大阪の問屋へと流通していく過程で
通る場所でもあった為です
「晒(さらし)」とは、綿に付いている脂質や不純物、
糸にする際に付けられるサイジング糊を除去し、
色素や匂いを除去して洗浄漂白加工をすることをいいます
晒の方法は大きく分けると2種類あり、現在一般的な洋晒と、
日本伝統の製法の「和晒」があります
洋晒はローラーを通して一気に漂白する方法です
4〜5時間で出来上がるので量産に向いており、
現在主流の方法ですが、ローラーを通して引っ張るので、
繊維が潰れて平面的な仕上がりになります
和晒は大きな釜に入れて丸4日かけて焚いてじっくり漂白
していく方法です
じっくり漂白するので繊維の奥までしっかり処理が出来、
繊維が潰れないのでふっくらして吸水性も良くなります
しかし、打ち込みのいい目が詰まった生地や、厚地の
生地は時間がかかり、ムラになりやすいです
今回参照したのはこちらのサイトです
浪華本染め
工芸ジャパン「浪華本染め」
伝統的工芸品 青山スクエア「浪華本染め」
和晒
株式会社三共晒さん「和晒とは」
幸村晒工業株式会社さん「和晒とは」
それではまた〜