重症筋無力症(MG)という病気は、原因不明でさらに診断基準も難しい病気と言える。私のように、症状として眼瞼下垂、血液検査の抗体、テンシロン試験、筋電図などすべて軽度であるが陽性の場合はまだ診断はつきやすい。しかし症状だけですべて陰性のケースもあり診断がつかずに苦しんでいる人も多い。で、今回のテーマはMGの診断が出たら考え行動すべきことを自分の経験をもとに書いてみたいと思います。
まずこの病気に関して勉強する、1万人に1~2人というサンプルが少ない病気ではあるが、患者さんの体験記や病気に関しての解説もけっこうネットにはアップしている。これから一緒に付き合って行かなければならない病気に関して知らないということは、苦しみが大きくなると思われる。体験記などでは、かなり症状が重く読むと不安になってくる場合もあると思うが、すべて想定内にしておくことで、「どうなるかわからない」という不安から逃れ自分を冷静に見つめることができると思う。知らないということは、不安を呼び、そこから怪しい民間療法などに頼ってしまう場合も多い。「溺れる者は藁をもつかむ」という精神状態・・・
診断がついた当初は、症状も重くなかなか前向きになることも出来ないかもしれないが、そのような場合はまずゆっくり休むことをお勧めする。会社に勤めている方の場合を中心に書いていくのだが、まず仕事が出来ないような状況の場合は、会社に迷惑がかかるなどと考えず自分のことを第一に考え長めの休職などでゆっくり休み仕事のストレスを除くことが重要。自分の命より大切な仕事など決して無いのだから・・・
休職中は、給料が出なくなるのだがこれをカバーするのが健康保険の「傷病手当金」という制度、これによって通常の給料の約2/3ほどの手当金が1年6ヶ月の長期にわたって支給される。これはもし会社を退職した場合でも、健康保険を任意継続すれば同じ期間支給される。会社によっては休職期間が決まっておりそれ以上は解雇になる場合も多いので、ここは注意が必要、退職し任意継続した場合、健康保険料は今までの2倍となりかなり負担は大となる。このへんは病気とは無関係で退職するリスクなどについて調べておく必要がある。けっして仕事が出来なくなった自分を悲観し簡単に自分から正社員の身分を捨てることはお勧めしない。会社などは社員は元気なうちはさんざんこき使っているのだから、病気になった場合は逆に正社員の身分をたてに遠慮なく利用できるものは利用すれば良いと思う。
一番大切なことは、病気の症状は苦しいのは事実であるが、それに心も負けないように・・・今の医学を信じ完治はしないかもしれないが、通常生活が送れるように必ずなるという気持ちを持ち続け、復帰が出来るだけ楽になるようにしておく必要があると思う。