前回↓

まーくんの死亡が確認され

溢れ出す涙をこらえながら運転し

ひとまず急ぎ家へ帰りました。

 

家に着くと

救急車はいませんでした。

 

無くなってしまった命よりも

今救えるかもしれない命を優先する。

当たり前のことですね。

 

警察官のものと思われる自転車が一台駐車場に停まってました。

 

救急車のいない

しんとしたその場が

もう全て終わったことを物語っていました。

 

 

鍵の開いている玄関を開け

明るい家に入ると

第一発見者である人事部のMさんが迎えてくれました。

 

深妙な面持ちで「せせらぎさん…」私に声をかけてくれます。

 

私はまーくんと同じ会社で働いていたので

Mさんのことも知っています。

それこそ辞めて以来の再会。

 

「Mさん…お久しぶりです。何が…どうして…」

 

わけの分からない状況と

懐かしい優しい表情のMさんの顔とで涙が一気に溢れました。

 

家の中でどう倒れているのか

どこに目を向けたら

『死体』があるのか

 

死んだまーくんをうっかり見たくなくて

Mさんにどこにいるか尋ねました。

 

玄関から部屋に入るドアのすぐそこにいると。

 

顔を見たくなくて、どんな位置でどういるのか聞いて

足を向けているとのことで

恐る恐る部屋を覗きました。

 

 

 

すぐに見えた、まーくんの足。

 

 

 

いつも寝ている場所で

同じようにある足

 

でも、もう二度と動かない

人形のような足。

 

 

そこにいるのに

いつものようにいるのに

 

それは『死体』で

『まーくん』ではなくて

 

 

もう『まーくん』はどこにもいなくて

 

 

受け止めきれずに

部屋へ入ることが出来ず

玄関先でしゃがみこんで泣いていました。

 

 

 

いやだ。見たくない。入れない。

 

 

 

壁一枚隔てた現実を

見ることが出来なかった。

 

 

「Mさん…Mさぁん…」

と泣きついて

ドアの前でうずくまっている私に寄り添って

震える私の手を握って、ずっとずっと一緒に居てくれました。

 

 

あの足は今でも鮮明に覚えています。

初めて見た愛する人の『死んだとされる体』

忘れることの出来ない衝撃でした。

 

 

家を出たきり連絡をせずにいた私を心配した父から電話が鳴り

出る気力もなく

 

 

「まーくんがしんだ

あとでれんらくする」

 

 

とだけ、漢字に変換することも出来ずに

動かなくなった頭で送り

(めちゃめちゃ心配かける文面ですね。あの時の精一杯。)

 

 

しばらく玄関から動かずいると

警察官がドタドタとやってきました。(ピンポンしたかな?)

そして多分靴にビニールをかけて土足で上がって行きました。

(多分…玄関に複数の靴があった記憶がないから)

 

着いた当初、駐在の警察官が一人いましたが

これから色々調べに刑事が来るとMさんから聞いていました。

 

 

まーくんの死は不審死。

 

死因も分からなければ

一緒にいた状況が分かる人もいない。

 

いわゆる変死です。

死因が分からなければ事件の可能性もある。

 

それを調べにやってきました。

所轄の刑事と鑑識数名。

 

 

きっとMさんは救急車を呼んでくれた。

助からないと見てわかっていても。

 

救急隊員からの死亡確認が伝えられ

病院ではなく警察送りになるまーくん。

その時に警察に連絡したのかもしれません。

 

まだ何も頭が追いついていかないのに

そこは事件現場として

慌ただしく動き出します。

 

私をそっと放っておいてはくれなかった。

 

 

愛する人が死んだことを突きつけられたその時に

事情聴取を受けるという地獄。

 

 

 

続きます。

 

 

↓暴言からの仲違い。どうして今なんだろう。

『初めから読む』

 

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きみといっしょに。

 

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