7月の図書館紀行 Vol.2 | kimchoco活動寫眞 -Those were the days-

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映画と本と・・・時々海保・自衛なブログです

0704 
い、言い訳させてくださいまし 
何故 団鬼六さんを読むことになったかっつーと
映画の検索で情報が波及して、気付いたら団鬼六さんに行き着いてまして
お初にお目にかかりました
で、本屋に団さんの作品はこれしか置いてなくって、「特攻隊」の話、、、に釣られて購入した次第です
SM系の、官能小説の第一人者だったのね。。。

三人の特攻隊将校が出撃の度に、次の男にひとりの女を託し受け継いでいく、、、と言うあらすじで
戦記物で、しかも特攻隊の話でこれを書くのはタブーではないかと俄然興味が湧いたのだけど
読み進めるうちにこれはなんていうか、、、

全然 官能小説なんかぢゃねぇー

生と性を語るならば、対極として死にもっとも近いフィールドで書くのが一番分かり易く
タブーとされる中にこそ、もっともリアルな人間の真実があるのでないかと
 
明日死ぬと分かっている人間が性に貪欲であったり、かと思えば尚も他人の為に生きるすべを持っていたり
泥臭い現実の中に尊い真実って隠されているんだなぁと
胸がぎゅぅぅっとなりました
切ない、切ない、切ない、これはもはや純文学と何が違うのか

特攻隊は終戦末期の第一部のお話で
第二部は終戦後の混乱期に話は移るわけですが
話し手は主人公の傍らにいる第三者であったり、その息子であったり
視点の軸が上手い具合に交差して読み応えがありました、面白かった

先入観やフィールドだけで本を選んだらダメだねぇ
思いがけず おお!と思う出会いが待ってるかも知れないからね

そして
ちょっと前に読んだ小説で同じような出会いがありましたのでご紹介

0704 
この人、木原音瀬

はい、腐女子なんでBL読みますが漫画onlyでして
小説はちょっとマニア過ぎて小馬鹿にしてたんですが
「BL界の芥川賞」と評されたのを知り、いざ購入、いざ読破!してみると、、、

す、凄い!これもBL本なんかぢゃねー

涙しそうになるほど、その人間模様に強く心打たれました
ストーリーの要素にBLが効いてるだけで純文学と何ら変わりない

冤罪で実刑判決を受けた主人公が刑務所で一人の男と出会い、
服役中から出所後の新たな人生、その終焉を迎えるまでが描かれています
これも心臓ぎゅぅってなりました(涙)

有川さんで読んだライトノベルにしても、団さんの官能小説にしても、木原さんのBL小説しても、
ジャンルで小説を語るのっておかしくねー?
って思える作品が多いです
またそういう小説に出会えるのも嬉しい

振り子が振り切れるほどジャンル100%な小説も、それはそれですっごく楽しいんだけどね♪