「ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯」クレア・キップス著
第二次世界大戦中のロンドン郊外で、足と翼に障碍を持つ一羽の小スズメが老婦人に拾われた。婦人の献身的な愛情に包まれて育った小スズメは、爆撃機の襲来に怯える人々の希望の灯火となっていく―。
この本は読書関連のインスタで見つけた本で、投稿者の評価が高かったので読んでみた。
第二次世界大戦中、夫に先立たれたイギリス人女性ピアニストが自宅前で傷ついていた子スズメ(クレランス)を助け育て、12年のスズメの生涯を記録したドキュメント作品である。
著者の愛情を注がれ育ったクレランスは少しづつ成長し、やがて自分が人間だと思い込んだようにカードやマッチを使った芸やピアノに合わせ歌い、著者の心の支えとなり、戦争に怯え落ち込む人々に束の間の笑いを提供する。。。
小さく知能が無いように思っていたスズメに、このような能力や感情表現が有る事に驚き、それを注意深く観察し記録した事に感銘した。
スズメで思い出したが、20数年前、新婚旅行で行ったハワイのホテルのテラスで朝食を食べていると、パンをねだってスズメたちが何の警戒も無く近寄って来た事に驚いた。
日本にいるスズメたちは、人が近寄るとすぐに飛んでいってしまうが、ハワイのスズメはリラックスした人間たちの感情を察するのだろうか?
こんな小さな生き物でも、思っている以上に人間とのコミュニケーション能力は高いのかもしれない。
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ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯 (文春文庫)
702円
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