752冊目 5時過ぎランチ/羽田圭介 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「5時過ぎランチ」羽田圭介著・・・★★★☆

ガソリンスタンドのアルバイト、アレルギー持ちの殺し屋、写真週刊誌の女性記者。日々過酷な仕事に臨む三人が遭遇した、しびれるほどの“時間外労働”!芥川賞作家・羽田圭介だから書ける、限りなく危険なお仕事&犯罪小説!

 

著者は「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞後、やたらとバラエティ番組に登場し作家とは思えない軽いノリな感じだったが、作品は真っ当で面白く気になっていた。

本書はそんな著者の最新作で図書館の予約で上位に位置している一冊。

 

三篇からなる短編で構成され、作風はハードボイルド風味な犯罪物で、こんな作品も書くんだ~といった感じだった。

これらの作品の良さは個性的な三人の主人公。

 

「グリーンゾーン」はガソリンスタンドに務めるアルバイト女性整備士が彼氏を救うためにヤクザと対決。

「内なる殺人者」は悪者を退治する殺し屋が、小麦アレルギーに苦しみながら完璧なまでに任務を遂行する。

「誰の為の昼食」は写真週刊誌の女性記者が、国会議員の女性スキャンダルの裏に潜む巨悪に挑む。

 

車の整備や殺しの手口などのディテールが専門的且つ具体的で、作品にリアル感があるのも良い点だろう。

 

器用にいろんな作風が書けそうなので、他の作品も気になる作家である。

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

 

5時過ぎランチ 5時過ぎランチ
1,404円
Amazon