「蜘蛛女のキス」マヌエル・プイグ著・・・★★★
ブエノスアイレスの刑務所の監房で同室になった二人、同性愛者のモリーナと革命家バレンティンは映画のストーリーについて語りあうことで夜を過ごしていた。主義主張あらゆる面で正反対の二人だったが、やがてお互いを理解しあい、それぞれが内に秘めていた孤独を分かちあうようになる。両者の心は急速に近づくが―。モリーナの言葉が読む者を濃密な空気に満ちた世界へ誘う。
う~ん、これはどう解釈すればいいんだろ。。。
著者のプイグ(1932-1990)はアルゼンチン作家で本作は1976年に発表、ベストセラーとなりその後戯曲化され1985年には映画化しヒットした。
現在でもたびたび舞台が上演される人気作品となっている。
ストーリーは、刑務所の同室に収監されているゲイのモリーナが革命家のバレンティンに映画のストーリーを聞かせるのがメインで、本作の殆どが2人の会話文で成り立っており、地の文が全く無い。
読み進めるとモリーナの隠された目的が明らかになるのだが、話して聞かせる映画のストーリーがメタファー的で何かを暗示しているような感じがする。
幻覚的な結末も意味不明。
そして本作で特筆すべきは凄い専門的な「原注」で、同性愛者の研究に関する解説や映画に関する解説などが挿入されている。(難しそうで読んでない)
という訳で思った以上に奥の深い作品だったが、盆暗頭には理解不能で、本で読むよりも映画や演劇で見た方がもしかしたら理解し易いのかもしれない。
蜘蛛女のキス改訂新版 (集英社文庫) [ マヌエル・プイグ ] 946円 楽天 |