「abさんご」黒田夏子著・・・★★★
二つの書庫と巻き貝状の小べやのある「昭和」の家庭で育ったひとり児の運命。記憶の断片で織りなされた、夢のように美しい世界。
第148回(2012年)芥川賞受賞作品。
受賞作の「abさんご」は本書の左から横組みで、「毬」他3篇は右から縦組みで構成されている、一風変わった本である。
題名や本書の構成から想像して、新鋭の作家が書いた奇抜な本かと思っていたが、内容は非常に古風である。
それもそのはず、著者は1937年生まれで、受賞時は75歳で最高齢の受賞者だった。
「abさんご」は文の殆どがひらがなで書かれており、非常に読みにくい。
読み始めて暫くは、何でこんな読みにくく書いてるんだ?と思ったが、これはワザと読みにくくして、ゆっくりと読ませる意図がある事に気づいた。
そんな感じだったので、何が書いてあるのかが全く頭に入ってこず、ゆっくり読むような心境でも無かったんで途中で挫折。。。(><;)
時間に余裕がある時にゆっくり読むべき作品だった。
1963年!に書いたという「毬」他3篇はタミエという女の子が体験した3つの話で、こちらは普通の文体で読めた。
abさんご
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