674冊目 フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/ELジェイムズ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」ELジェイムズ著・・・★★★★

女子大生のアナは、親友の代わりに、巨大企業の若き創業者兼CEOのクリスチャン・グレイをインタビューすることになった。これまで恋の経験のなかったアナだが、ハンサムで謎めいたグレイにひと目で強力に惹かれる。彼が運命の人なの? グレイもアナに好意を持っているのか、彼女の行く先々に姿を見せた。ふたりは急激に近づいていくが、やがて、グレイの倒錯した秘密の顔が明らかに……。

 

日頃、誰も読まないようなマニアックな本ばっかり読んでいる私が、とうとうこの手の本に誘惑され本書に手を出してしまいました!(;^_^A

知る人ぞ知るこの本は、2011年に出版され、たちまち全米のベストセラートップ3を独占!(本書は3部作の1作目)

わずか半年のうちに、世界で6000万部を突破し、あの「ハリー・ポッター」を超えたという程の話題作である。

もちろん、映画化もされている。(YouTubeに映像があります)

 

ストーリーを簡単に言えば、平凡な女子大学生(アナ)と、巨大企業の創業者である27歳のCEO(グレイ)との恋愛物語である。

しかし、ここにエスエム(これをアルファベットで書くとアメブロの規定違反になるかも)という危険なスパイスを効かせ、その要因となったグレイのトラウマを暗示させて、ただのシンデレラストーリーとは一線を画している訳だ。

 

グレイは単に大金や高級車やプライベートジェットを持っているだけでなく、初対面の女性を赤面させ、うっとりさせる程の美貌と肉体、エレガントな振る舞いとセクシーさを持ち合わせたパーフェクトな男なのである。

こうなると、ビル・ゲイツも孫正義も敵う訳がない。。。!(´Д`;)

 

ところがグレイには、隠された過去を持ち、欲求を満たすために女性には体しか求めず、服従させ、エスエムプレイに没入する。(フィフティ・シェイズとは50通りの性格を持つという意味)

 

アナの美しさと知性に惹かれ、体と服従を求めるグレイ。

グレイに愛を求めるアナだったが、グレイの優しさや魅力に惹かれ、徐々に快楽に浸っていく。

グレイを愛するも自分を見失う事のないアナの態度に、グレイの心も徐々に変化していく。。。

 

エロティックな性描写もさることながら、この作品を支えているのはディテールがしっかりと描かれている点にあると思う。

女性を魅惑するグレイのセクシーなしぐさや着こなし。

アナのファッション。

エスエムプレイで使われる道具や方法の数々。

グレイが聴いたり、ピアノで弾く音楽。

そして、アナを支える友人たちと家族。

等々、結構練られている。

 

例えば、愛車がアウディというのもグレイのキャラに合っていて絶妙なチョイスだと思う。

押し出しの強いベンツや万人受けするBMWではなく、やっぱりねというポルシェやこれ見よがしのフェラーリ、増してやランボルギーニでもない、控え目で無機質的なアウディなのである。

けど、ただのセダンじゃ面白くないので、大型のSUV(本人は運転しない)とスーパーカーのR8スパイダーなのである。

 

実はこの作者は女性(おばちゃん)で、本作の読者も圧倒的に女性で、特に主婦が多いそうだ。

なるほど理解が出来る。

しかし、これは男性が読んでも参考になる点は多々あると思う。

 

ただ、ひとつ注文をつけさせて貰えば、長い。(上下巻で800P)

1/4か1/3位削ってくれれば良いのだが。

 

ちなみに訳者はジェフリー・ディヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズでお馴染みの、池田真紀子である。

映画監督も女性で、すべて女性である点も意味深い。

 

しかし、こんな本も図書館で借りられるとはね~。。。( ´艸`)

まあ、これよりもお下劣な本はいっぱい置いてあるが。。。( ̄∩ ̄#

 

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