374冊目 夜明けの家/古井由吉 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「夜明けの家」古井由吉著・・・★★★★

古井文学の頂点を示す最高の連作集。
生死の間(あわい)を縫う最高の連作!どこへも、行きはしない。
生者と死者の静まりゆく50年。表題作をはじめ、名品「島の日」「不軽」「草原」等、古井文学の到達点!


久々に日本文学を読んだ~っ、っていう感じ。

”老い”をテーマにした私小説の様な短編集。

老熟した筆使いが名手と呼ぶに相応しい。

何気なく、衒いの無いストーリーではあるが文体が実に濃密で、一編一編がずっしりとくる。

現代日本文学を代表する、珠玉の短編集と言っても過言では無いんじゃないでしょうか。

「仮往生伝試文」はその文体に全く歯がたたなかったが、本書なら誰でも読めそう。

ただ、読みこなすにはそれなりの人生経験が必要の様である。

近頃の、軽~い現代小説に飽きたら是非。


夜明けの家 (講談社文芸文庫)/古井 由吉
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