「夜明けの家」古井由吉著・・・★★★★
古井文学の頂点を示す最高の連作集。
生死の間(あわい)を縫う最高の連作!どこへも、行きはしない。
生者と死者の静まりゆく50年。表題作をはじめ、名品「島の日」「不軽」「草原」等、古井文学の到達点!
久々に日本文学を読んだ~っ、っていう感じ。
”老い”をテーマにした私小説の様な短編集。
老熟した筆使いが名手と呼ぶに相応しい。
何気なく、衒いの無いストーリーではあるが文体が実に濃密で、一編一編がずっしりとくる。
現代日本文学を代表する、珠玉の短編集と言っても過言では無いんじゃないでしょうか。
「仮往生伝試文」はその文体に全く歯がたたなかったが、本書なら誰でも読めそう。
ただ、読みこなすにはそれなりの人生経験が必要の様である。
近頃の、軽~い現代小説に飽きたら是非。
- 夜明けの家 (講談社文芸文庫)/古井 由吉
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