「介護入門」モブ・ノリオ著・・・★★★☆
頭蓋骨を陥没骨折した祖母。自称ミュージシャンの「俺」は、その日から「無理」を生きる決意をする。死の淵から生還した祖母を自宅に連れ帰っての介護の日々。何もしようとしない親戚や、愚かな世間に毒づきながら、祖母の身体を拭くタオルの温度に気を配る「俺」。そして、それ以外の時間は、魂の抜け殻をもてあましながら大麻にふける・・・
寝たきりと思しきばあちゃんと、著者本人と思しき金髪のにいちゃんとが2人でベットに寄り添い寝ている写真が巻頭に載っている。
本作は私小説というかほぼ体験記に近いのだろうと思う。
大麻をやっているようなファンキーな主人公が、祖母の介護生活で体験する過酷な生活と、それを取り巻く人間模様をラップ調の独特な文体で描いている。
そこには、建て前や虚飾はまったく無い。
ありのままの介護の実態、体験、思いが綴られている。
本書を読んで自分の家族の行く末を案じた。
果たして自分にできるだろうか?
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