173冊目 69 sixty nine/村上龍 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「69 sixty nine」村上龍著・・・★★★☆

1969年の長崎県・佐世保。高校3年生のケンは、憧れの学園のマドンナに近づきたいがために、ロックコンサートや映画、演劇を総合したフェスティバルを開くことを決意。友人のアダマやイワセらを巻き込んでいく。だがそのいきかがり上で、高校の全共闘の面々と共に高校のバリケード封鎖をすることになってしまうのだった…。


1960年代後半~70年代前半という時代ほど、若者のエネルギーが外に向かって爆発していた時代は無いと思う。

私のひと世代前になるのだが、私も若い頃その時代の若者に憧れを抱いていてその頃の思想、文化、音楽などを好んで見聞きしていた。

本書はそんな時代の真っ只中に生きた著者の自伝的な青春グラフィティである。

建て前は反戦だ反社会だのとは言ってるものの、本音は目立ちたい、女にもてたいという若者達で著者はその先頭にたって学校をバリケード封鎖したり、フェスティバル(非公認な有志による文化祭)をしたり青春を謳歌している。

「あの時代は良かったなぁ~」と感じる作品である。(遠い目)

この世代の若者はその後の時代の激動により、今やすっかり牙を抜かれた品行方正なオジさんになってしまった。

著者もその1人なんだろうなぁ。

なお、本作品は脚本 宮藤官九郎、主演 妻夫木聡、により映画化されている。


69 sixty nine (文春文庫)/村上 龍
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