「浄土」町田康著・・・★★★
あなたはどぶに立ち汚辱にまみれて立ちつくしている一個のビバカッパをちゃちゃちゃんと見なければ。凝視して、そして笑わなければあかぬかったのだ。――<『どぶさらえ』より>
本書は’05年の出版で割りと最近のものだが昔の「夫婦茶椀」や「くっすん大黒」のようなパンク炸裂が陰を潜め、文体も抑制がきいていて普通である。(笑 個人的には町田の作品はもっとパンク炸裂の元気があっていいと思う。ちょっと落ち着きすぎちゃった。ただ、モチーフは多様化し作家としての進化はみられる。
- 浄土 (講談社文庫 ま 46-5)/町田 康
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