いくら在米歴が長いと言えど、この国には次から次へと驚かされる。
中でも最近、断トツに私を困惑させたのが・・・
万引きゆるゆる法
(California - Proposition 47)
勝手に名付けさせてもらったが・・・
何これ!?どういう事!?
モラルある人間ならば、誰もがそう思うだろう。
要はこういう事らしい。
カリフォルニア州の刑務所は、どこも大きくキャパ超えであり、罪を犯して収監されても、数日(数時間?)で出されるほどにパンパンだ。刑務所で犯罪者を養うにもコストがかかるし、だったら、人に危害を与える事のない万引き程度の犯罪は前科付けないであげるほうが、本人の未来のためにもなる。警察も人手不足で、テロだ、麻薬だ、殺人だって、もっとヤバイ事件に動員しなくちゃならないし、$950(日本円にして約14万円)以下の万引きくらいなら、別に事を大きくしなくても・・・的な法律だ
なんじゃそりゃ!?
厳密には「軽犯罪」の扱いらしいが、チケット切られる程度で犯罪歴には残らないとか何とか。交通違反もチケットを切られるが、交通違反と大きく違う点は、スピード違反や駐禁は、警察が自ら発見してチケット切るが、万引きの場合、発見者が警察に電話しても、この程度の事では、警察はまず来てくれないという事だ(だからチケットも切られない)
なもんで、法を盾に、皆様、あまりに堂々とした盗みっぷり
目にも止まらぬ早業で、棚に並ぶ商品をバッサバッサとゴミ袋へと投げ入れる。その後、レジに向かう素振りも見せず、正面出口から颯爽とご退店。
そんな「ありえへん光景」がコチラ。
店の警備員、店員は何してる?
だが、前述したとおり、警察呼んでも来やしない。ヘタに止めたら店員や他の客がケガするかもしれないし、並んでいる他の商品も壊れたり損害を受けるかもしれない。なので、盗んでいる現場を目撃しても傍観するしかないらしく
友人の話によると、あろう事か、盗みをやめさせようと行動を起こした店員が「余計なことするな!」と、店側から解雇された例もあると言っていたから世も末だ・・・
行政がこういう事を黙認する事で、被害を被るのは、スーパーやドラッグストアなどの小売店。実際に、その業界の被害は甚大で、バッタバッタと閉店に追い込まれているというから気の毒も過ぎる。
それにしても、「犯罪歴残さないであげたほうが、将来、更生しやすいし~」というこの法案。必要なモノは、盗んで手に入れている人たちが、将来、更生・・・・するか!?
盗んだモノを売り捌いてお金を作っている人達だっているだろうし、子供たちだって、親のそんな行動を見て育つのだから、「盗む」という事に、犯罪意識さえ芽生えずに大人になる可能性だってあるわけで。(いや、そうなるのが自然だろうよ)
ちなみに、現在、ロサンゼルス地区の平均家賃が日本円にして47万円というこのご時世。
住宅ローンの金利は7%を超えているし、人気の観光地サンフランシスコは、街中もスラム化していると聞く。警察も人手不足だし、こういう法律でもないと、治安が守れなくなって来ているほど、貧富の差が激化しているのが今のアメリカという事か。
なんとも、複雑な社会問題だ。
おっと。。。
気付けば、ライターモードのスイッチが入ってしまい、ついつい真面目に語ってしまったが・・・
今日のお題は、語らずにはいられない「モヤモヤ案件」なのだった
皆さん・・・どう思います?
By NUTS
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